エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2013年6月1日 17:50 JST

ANA、”真の国内線仕様”787を投入 初の新プレミアムクラス導入機

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 ボーイング787型機の定期便を再開した全日本空輸(ANA)は6月1日、プレミアムクラスに新シートを搭載し、同社が計画した仕様通りに仕上げられた初の国内線仕様機の運航を開始した。

プレミアムクラスの新シートが搭載されたANAの787の18号機=13年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

大型テーブルを備えたプレミアムクラスの新シート=13年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同機はボーイングが787の引き渡しを再開後、世界で最初に航空会社へ引き渡された機体で、ANAでは18機目(登録番号JA818A)の787。ANAホールディングス(9202)が現地時間5月14日にボーイングから受領し、日本時間16日午後7時43分に羽田空港へ到着した(関連記事)。

 ANAの国内線仕様機では、プレミアムクラスのシート調達の関係で、これまで受領した機体には国際線用ビジネスクラスシートを暫定的に搭載。今回、は昨年5月に777-200ERで導入を開始した同クラス用新シートを、初めて搭載した。座席数はプレミアムクラス12席、普通席323席の計335席で、今後ANAが受領する787のうち、国内線仕様機は18号機と同じ仕様になる。

 シートは英コンター・エアロスペース(現ゾディアック・シート・UK)製で、ANAの国内線初となる本革素材を使用。リクライニングの傾斜角度は約130度と国内最大級で、座席がスライドしながら背もたれが傾斜するため、後ろの乗客を気にせずに済む。

シートピッチは50インチ。787の特徴的な窓が見える=13年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 シートピッチはエコノミークラスの31インチ(78.7センチメートル)に対して約1.6倍の50インチ(127センチメートル)となっている。

 テーブルをこれまでより3割広くし、パソコンや書類を広げて仕事をする時や、エコノミークラスと比べて品数が多い機内食を食べる際に余裕を持たせた。また、パソコン用電源に加えてスマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、USB充電ポートを装備。機内でも充電が可能になった。

 ANAによると、当初は787のプレミアムクラスに国際線用ビジネスクラスのシートを暫定導入する予定ではなかったという。787の導入計画が3年ずれ込み、プレミアムクラスに新シートを導入する時期と近くなったため暫定導入を実施。シート調達の関係で、18号機からの導入となった。

 初便は羽田発松山行きNH583便で、定刻の午前7時20分に59番スポットから出発し、午前8時45分に松山へ到着した。

羽田の格納庫で整備中の18号機=13年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トーイングバーが外される18号機=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田を出発する18号機=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

滑走路へ向かう18号機=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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ボーイング787型機 ANAからのお知らせ(全日本空輸)

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