エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2013年6月1日 05:00 JST

全日空と日航、787定期便を再開 羽田から4カ月半ぶり

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL、9201)は6月1日、1月から運航を停止していたボーイング787型機による定期便の運航を約4カ月半ぶりに再開した。両社の運航再開初便は、午前1時前後に羽田を出発して目的地へ向かった。

羽田空港を出発するANAの787定期便初便=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAはフランクフルト便

搭乗開始前に乗客へあいさつするANAの篠辺社長(中央)=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAの初便はフランクフルト行きNH203便。機材は国際線用158席仕様機(登録番号JA813A)で、乗客146人と運航乗務員3人、客室乗務員9人を乗せて定刻より1分早い午前0時59分に羽田国際線ターミナルの109番スポットを出発した。C滑走路(34L)から午前1時17分に離陸し、フランクフルトへ向かった。

 搭乗開始を前にANAの篠辺修社長は、「安全第一で対策をしてきた。確認飛行や慣熟飛行を250便以上行った」と語り、安全性に自信を示した。

 ANAでは定期便の再開に先駆け、5月26日から羽田-札幌線で臨時便を5便運航。同路線は、整備など地上支援の態勢が十分であることや、臨時便の需要が見込めるなどの理由で、運航乗務員の慣熟飛行も行われた。

ANA社員に見送られて羽田を出発する787定期便初便=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田のC滑走路へ向かうANAの787定期便初便=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALはシンガポール便

 一方、JALの初便はシンガポール行きJL035便(登録番号JA825J)。座席数は186席で、乗客184人と運航乗務員2人、客室乗務員7人を乗せ、羽田の113番スポットを午前1時2分に出発した。同便もC滑走路(34L)を使用し、午前1時23分に離陸した。

JAL社員に見送られて羽田を出発する787定期便初便=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

初便の運航乗務員を出迎えるJALの植木社長(右)=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 乗員の到着を前に、搭乗ゲート付近で記者団の取材に応じたJALの植木義晴社長は、自身の35年間の運航乗務員としての経験から、安全には自信があると語るとともに、利用者から信頼を得るには「これから実績を重ねていくことと、全社員が自信を持ってやっていくことが大切だ」と述べた。

 植木社長に自ら操縦桿を握りたかったかを尋ねると、「そりゃそうだよ」と即座に応じ、「乗員は十分に訓練を積み、安全に飛ばせる自信を持っている。私だけではなく、皆が初便の操縦桿を握りたかっただろう」と、後輩たちの心中を察した。

 初便の乗員には、「いつものようにやれよ」と声を掛けると述べ、乗客へは「シンガポールまでの6時間を楽しんで欲しい」と話した。

羽田を出発するJALの787定期便初便=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田のC滑走路へ向かうJALの787定期便初便=6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
ボーイング787型機 ANAからのお知らせ(全日本空輸)
安全・運航情報 ボーイング787型機(日本航空)

全日空、臨時便で787商業運航再開 熟睡する乗客も
日航、787の8号機受領 31日に成田へ
JALの787、確認飛行で全機異常なし ボストン機も成田到着
高松に緊急着陸の全日空787、120日ぶりに羽田へ帰還
全日空の787、羽田に到着 引き渡し再開後初の機体