エアアジア・ジャパン、2度目の撤退 9月4連休で幕

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 エアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)は10月5日夜、事業廃止を決定して国土交通省に届け出たと正式発表した。全路線廃止は12月5日としているが、すでに夏ダイヤ最終日の10月24日まで全路線全便の運休を決定しており、25日以降も12月5日まで運休する見通しで、9月の4連休が最終運航になった。エアアジア・ジャパンの撤退は、7年前の2013年10月以来2度目となる。

事業廃止を正式発表したエアアジア・ジャパン。写真は福岡就航時のもの=20年8月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社は中部空港(セントレア)を拠点とし、国内線は札幌線と仙台線、福岡線、国際線は台北(桃園)線の計4路線を運航していた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、台北線は3月20日から運休しており、国内線は8月から約4カ月ぶりに運航を再開したものの、9月は中部-札幌線を除いて全便運休となった。8月1日に就航した福岡線は、わずか1カ月で運休している。

 9月は札幌線を12日と13日、19日から22日までの4連休のみ運航。このまま12月まで運休が続いた場合、9月22日の札幌発中部行きDJ10便が最終便となる見込み。エアアジア・ジャパンの会田純・最高執行責任者は5日、「新型コロナウィルスの終息時期の見通しが不透明な状況において、事業を継続することは極めて困難であると判断」したとの声明を発表した。新型コロナを理由に、全事業から撤退する日本の航空会社は初めて。

 機材はエアバスA320型機が3機で、座席数は初号機(登録記号JA01DJ)と2号機(JA02DJ)が1クラス180席、3号機(JA03DJ)が1クラス186席。9月に稼働した機体は3号機のみだった。

 第1期のエアアジア・ジャパンは、持株会社化前の全日本空輸(ANA/NH)との合弁で2012年8月1日に就航し、2013年10月26日で運航を終えた。第2期は2014年7月1日に楽天(4755)などと共に日本市場へ再参入するとエアアジアが発表したが、就航は当初計画より約2年遅れの2017年10月29日となった。

 エアアジア・ジャパンの4-6月期輸送実績は、旅客数が前年同期比98%減の2482人、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)が97%減の400万席キロ、有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)が99%減の200万人キロ、ロードファクター(座席利用率)は36ポイント低下し42%だった。

 拠点の中部空港は、エアアジア・ジャパンの事業展開を前提にLCC専用の第2ターミナルを建設し、2019年9月20日に開業。エアアジア・ジャパンの撤退が正式決定したことで、新型コロナ後の空港運営の見直しを迫られることになりそうだ。

関連リンク
エアアジア

第2期エアアジア・ジャパン
エアアジア・ジャパン2度目の撤退へ 9月4連休が最後(20年9月30日)
エアアジアG、4-6月期旅客98%減 利用率59%(20年8月16日)
エアアジア・ジャパン、福岡就航 新型コロナで3カ月遅れ(20年8月1日)
エアアジア・ジャパン、国際線9月末まで運休(20年7月15日)
エアアジア・ジャパン、中部-札幌就航 1日2往復(17年10月29日)
エアアジア、楽天と日本再参入 15年6月就航、羽田も視野に(14年7月1日)

第1期エアアジア・ジャパン
エアアジア・ジャパン、最終日迎える 95万人運ぶ(13年10月26日)
エアアジアJ、初便は定時出発 搭乗率65.6%(12年8月1日)
エアアジア・ジャパン、「ローコストは低品質ではない」 成田に注文も(12年5月30日)