企業 — 2020年3月9日 20:50 JST

ヘリ離着陸場に簡易夜間照明 ヒラタ学園、災害・緊急搬送想定し共同開発

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 災害時などに照明のないヘリコプターの離着陸場に設置できる簡易型の夜間照明セット「HEXAGON(ヘキサゴン)」を、ヒラタ学園航空事業本部(神戸市)が岐阜大学などと共同開発した。価格は1セット130万円で、電気工事が必要な従来の常設型に比べ安価で軽量なのが特徴。全国の自治体や消防、警察、自衛隊などの防災関係の機関、ヘリポートを持つ病院向けに4月1日から販売する。

神戸空港でヘリ実機を用いて行われた灯火の設置デモ。手前は黄色の境界灯=PHOTO: Yoshimasa YAMADA/Aviation Wire

 HEXAGONは、単3乾電池で発光する17個の照明とリモコン、巻き尺などをセットにし、トランク型の収納ケースに入れて運搬する。収納ケースの重量は35キロ程度で、大人1人でも持ち運べる。照明は航空法で定められた境界灯(黄色)8個、境界誘導灯(緑色)8個、風向灯(白色)1個で構成され、灯火1個当たりのサイズは縦15センチ、横15センチ、高さ3センチで、重量は1キロほどある。大型ヘリのダウンウオッシュ(吹き下ろし)にも耐えられることを実証済みで、8時間の連続点灯が可能だという。

 開発プロジェクトは2019年1月にスタートし、医療機関や福祉施設向けの給食事業を展開している日清医療食品、岐阜大学の大学内ベンチャーであるヒューロビントも参加。ヒラタ学園が運航するドクターヘリ(EC135)の実機を用いた灯火の設置デモが、神戸空港内のヒラタ学園神戸エアセンターで2月18日に行われた。

 ヒラタ学園によると、全国には約800-900カ所の場外離着陸場があるが、照明が設置されているのは1割程度にとどまるという。夜間照明を設置することで、日没後も物資輸送や負傷者、病人の搬送が可能になり、ヒラタ学園航空事業本部の飛弾清彦副本部長は「自然災害が相次ぐ中、夜間照明を付けることでヘリポートの機能を大幅に強化できる。厳しい条件で飛ぶパイロットにとっても、安全運航の大きな助けになる」と説明した。

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ヒラタ学園航空事業本部

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