ボーイング, 官公庁, 機体 — 2020年1月29日 14:29 JST

ボーイングとエンブラエル合弁、ブラジル競争当局承認

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ブラジルの競争当局・経済擁護行政委員会(CADE)は現地時間1月28日、ボーイングとエンブラエルが設立する民間機事業について、27日付で承認したと発表した。このほか、エンブラエルの空中給油・輸送機KC-390の合弁事業も承認した。

CADEからボーイングとの合弁事業を認証されたエンブラエル=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ボーイングとエンブラエルは、民間機事業の新会社を「Boeing Brasil – Commercial(ボーイング・ブラジル-コマーシャル)」と命名し、株式はボーイングが80%、残り20%をエンブラエルが保有する。エンブラエルの株主は、2019年2月26日に新会社設立を承認。正式な設立には各国の規制当局による認可が必要となる。これまでに米国とブラジルのほか、日本と中国、南アフリカ、モンテネグロ、コロンビア、ケニアの各国が了承済みで、2018年後半からは欧州でも評価が進んでいる。

 また民間機に加え、KC-390の合弁事業も承認。合弁会社は市場開拓や販売促進を手掛け、エンブラエルが51%、ボーイングが49%を出資する。

 CADEは承認した理由について「同じ市場で競争しないため、競争上の問題はない」と説明。ボーイングとエンブラエルは共同で、「承認を歓迎する」との声明を発表した。

 民間機事業の新会社が発足すると、ボーイングはE2シリーズなど70席クラスの機体から450席クラスの747-8までの旅客機と、777Fなどの貨物機を加えた民間機市場全体をカバーできるようになる。KC-390の合弁事業と合わせ、軍民とも小型機はエンブラエル、100席以上のサイズはボーイングと分担して、世界市場を攻められるようになる。

関連リンク
Boeing
Embraer
CADE

ボーイングとエンブラエル、新会社名発表「ボーイング・ブラジル-コマーシャル」(19年10月3日)
エンブラエル、設立50周年 世界3位の民間機メーカーに(19年8月20日)
エンブラエル、ボーイングとの民間機合弁会社を承認 年内設立(19年2月27日)
ボーイングとエンブラエル、民間機の合弁会社設立へ MRJさらなる苦戦も(18年7月6日)
ボーイング、エンブラエルと提携交渉 買収検討か(17年12月22日)
エアバス、A220発表 Cシリーズを改称(18年7月10日)
エアバス、Cシリーズ事業会社買収 ボンバルディアや州政府から(18年7月2日)
ボンバルディアCシリーズ、米国販売に制裁なし ボーイング「失望した」(18年1月29日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post