エアライン, 企業 — 2019年7月27日 11:23 JST

ZMP、JALと成田空港で自動走行実験 20年にトーイングトラクターで

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 自動運転やロボット技術を手掛けるZMP(東京都文京区)は、日本航空(JAL/JL、9201)と協力して貨物コンテナなどをけん引する「トーイングトラクター」の自動走行実験を、成田空港で2020年に実施する。

JALが空港内で使うトーイングトラクター=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 トーイングトラクターはTT車とも呼ばれ、貨物コンテナを積んだ「ドーリー」を空港内で牽引(けんいん)する車両。政府が2020年までに年間訪日外国人4000万人を目標に掲げ、航空会社は新路線開設や増便を進めているが、一方で空港ではTT車の運転などグランドハンドリング(地上支援)業務の人手不足が大きな課題になっている。

 国土交通省航空局(JCAB)は、TT車などグラハン業務で使う「GSE(Ground Support Equipment:地上支援機材)」の自動運転化など、「航空イノベーション」を推進。官民一体となった業務効率化を後押ししている。

 ZMPは丸紅(8002)との合弁会社AIRO(東京都中央区)として、今年3月に中部空港(セントレア)で乗客をターミナルから駐機場まで運ぶことを想定した、電気バスの自動運転の実証実験に参画。今回成田の制限区域内で実施する実験は、2020年1月から2月の間に行う計画を進めている。JALが実際にTT車を使っているルートを自動走行する。

 ZMPは7月23日から26日まで、同社の製品やサービスを紹介する「ZMP World」を都内で開催。自動運転の走行テストやデータ取得などに対応した「RoboTest」などを紹介していた。

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ZMP
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