エアライン, 官公庁, 空港 — 2019年5月30日 19:15 JST

成田空港、羽田増枠でアジア-北米の乗継影響も 12路線重複

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は5月30日、2020年夏ダイヤで予定している羽田空港の増便枠について、アジア-北米間の乗り継ぎ需要に影響が出るとの見方を示した。米国運輸省(DOT)は米航空4社に対し、12枠を暫定的に割り当てている。

シンガポールで出発準備が整うデルタ航空の成田行きDL116便=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 DOTが現地時間5月16日に発表した暫定割り当てによると、デルタ航空(DAL/DL)の5枠が最も多く、ユナイテッド航空(UAL/UA)は4枠、アメリカン航空(AAL/AA)は2枠、ハワイアン航空(HAL/HA)は1枠となる。

 これら12路線はいずれも成田の既存路線と重複する。デルタ航空はシアトルとデトロイト、アトランタ、ポートランド、ホノルルから、ユナイテッド航空はニューアークとシカゴ、ワシントン、ロサンゼルスから、アメリカン航空はダラスとロサンゼルスから、ハワイアン航空はホノルルから、羽田への乗り入れを計画する。

 夏目社長は重複する12路線について、「羽田へ移管する可能性が高いと認識している」と述べ、「アジアと北米間の乗り継ぎ需要にには大きな影響が出る」と懸念を示した。

 4社のうちデルタ航空のみが、以遠権を利用した第三国路線を運航している。夏目社長は「デルタ5路線の移管が決定した場合、以遠権を行使しているシンガポール線とマニラ線にも影響が出る」との見方を示した。

 羽田空港の増枠について国土交通省は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年夏ダイヤまでに、羽田空港の滑走路や飛行経路を見直すことで、1日あたり50枠の増便を決定。国交省と米国の航空当局は、羽田空港の増便について、1月29日に基本合意に至った。50枠の増便枠のうち、半数近い24枠を米国路線に充て、日米に12枠ずつ振り分ける。

 配分が決定しているのは米国側の12枠のみで、日本側の米国路線12枠や、他方面への26枠は今後決定していく。

米航空各社の羽田就航申請状況。グレーは却下となった路線、成田の赤文字は割り当てと重複する路線(Aviation Wire作成)

関連リンク
成田国際空港
U.S. Department of Transportation
アメリカン航空
デルタ航空
ハワイアン航空
ユナイテッド航空
国土交通省
羽田空港国際線ターミナル

夏目社長「影響避けられない」
成田空港、羽田増枠「影響避けられない」 米申請14路線が重複(19年2月28日)

今回の申請と暫定割り当て
羽田米国枠、デルタ航空が最多 米運輸省、12枠暫定割り当て 20年夏(19年5月17日)
羽田発着枠、米航空4社が申請 20年夏から(19年2月22日)

JALとANAの考え方
ANAHD片野坂社長、羽田発着枠「米国路線の配分歓迎」(19年2月27日)
JAL赤坂社長、羽田発着枠「訪日客増と地方活性化に」(19年2月26日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post