日本航空(JAL/JL、9201)は2月18日、旭川空港で運用しているトーイングトラクター(TT車、貨物牽引車)の一部に、バイオディーゼル燃料(BDF)の使用を同日付で始めると発表した。濃度100%のBDF「B100燃料」を使用し、CO2(二酸化炭素)の排出量削減を狙う。TT車に凍結防止のヒーターを実装し、寒さに弱いBDFの通年利用ができるようになった。道内でのBDF導入は新千歳空港に続き2例目で、道内の地方空港では初導入となる。

旭川空港でBDFの通年利用を始めたJAL(同社資料から)
旭川空港で導入するB100燃料は、道内コンビニエンスストア「セイコーマート」の店内調理「HOT CHEF」などで発生する廃食油を原料とする。製造・供給・配送は豊田通商(8015)と、セイコーマートを展開するセコマ(札幌市)グループでBDFを製造・販売する白老油脂(北海道白老郡)が担う。
B100燃料を燃焼したときのCO2排出量は、従来燃料の軽油と比較して1リットルあたり2.62キロの削減効果があるとされている。原料となる植物が成長する過程でCO2を吸収することから、排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」とみなされるという。
JALによると、BDFは軽油と比べ一般的には寒さに弱く、氷点下5度以下の環境では凍結するリスクが伴うという。便数規模が大きい新千歳空港と比べると、地方空港は作業時間が短く作業車両を温め続けるのが困難なことから、寒冷地の冬季使用で燃料の凍結によるフィルターの目詰まりが導入への課題となっていた。今回、TT車に加温用ヒーターを新たに実装することで、燃料凍結のリスクを回避。寒冷地でもBDFの通年運用が可能となった。
今後は旭川空港での台数・車種の拡大のほか、道内のBDF未導入空港への展開も目指す。今回の運用を通じ、厳冬期の寒冷地空港でBDFの有効性も検証し、地域の事業者と連携・協働によりカーボンニュートラルの実現を加速させる。

BDFの製造から使用までのサイクル(JALの資料から)
・JAL、水素で動くトーイングカー 既存機改造で脱炭素化へ、都らと国内初実証(25年8月28日)
・国産SAF、羽田空港でも導入スタート 原料は廃食用油、ANA・JAL・日揮HDらアピール(25年7月7日)
・JAL、空港特殊車両の電動化続々 貨物2車種は国内仕様に、リモコンけん引車も導入へ(25年1月27日)
・JALとセコマ、新千歳の空港車両にバイオディーゼル燃料 TTなど11台(24年8月23日)
・JAL、国内初の電動トーイングカー CO2ゼロで737けん引、那覇空港(24年8月20日)
