エアライン, 企業, 解説・コラム — 2012年9月27日 18:25 JST

LCC、7割が「日本で定着すると思う」 マクロミルが1都3県で調査

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 インターネット調査会社のマクロミル(3730)は9月27日、低コスト航空会社(LCC)に関する調査結果を発表した。対象は1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)在住の20歳以上の男女で、有効回答者数は1000人。8月27日から9月4日にかけて、インターネット上で調査が行われた。

調査で7割が日本に定着すると回答したLCC。フルサービス航空会社との棲み分けが進むか(写真は本文と関係ありません)=12年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 調査結果によると、航空会社を選ぶポイント(複数回答可)は77.4%が「料金」と回答。「安全性」(63.2%)、「発着地の利便性」(52.7%)、「航空会社のブランド」(32.6%)、「マイレージサービス」(24.1%)と続いた。

 LCCを利用した人は、全体の7%にとどまった。利用した人の内訳は、国内のLCC利用者が43人(61.4%)、国内と海外を結ぶLCCが8人(11.4%)、海外のLCCが19人(27.1%)。満足度は「やや満足している」(43.3%)、「非常に満足している」(28.4%)と、満足している人が71.7%と7割を超えた。理由としては、「料金が安くて安全確実に目的地にたどり着けたから」、「あらかじめ広報されていた内容の通りだったから」といった声があった。

 一方、不満がある人は「やや不満である」(20.9%)、「非常に不満である」(7.5%)となった。「非常に不満である」とした人は「狭すぎる」、「接客態度が悪かった」といったコメントがあった。また、「やや不満である」人は「長距離には向かない」、「搭乗口が遠い」、「便数が少ない」、「到着が遅れた」、「手荷物の手数料が高い」、「預けた荷物が壊れた」といった点を挙げた。

 LCCを利用する際に「運賃が安ければ許容できるもの」(3つまで選択可)を尋ねたところ、1位は「ドリンクサービスが有料」で56.3%。続いて「新聞・雑誌・機内誌が有料」が49.2%、「荷物を自分で収納する」が30.4%となった。反面、発着時間の遅延(1.9%)、発着地が不便であること(0.9%)を許容する人は少なかった。

 今後LCCが日本で定着するかについては、「どちらかというと定着すると思う」(49.4%)、「定着すると思う」(20.5%)と定着すると感じている人が69.9%。「どちらかというと定着しないと思う」(14.5%)、「定着しないと思う」(3.2%)を上回った。「わからない」とした人は12.4%だった。

 日本で定着する理由としては、「既存の航空運賃が高すぎる」(30代男性)、「近距離の移動ならサービスの豊富さより、料金が安いほうがいい」(30代女性)、「安全性より料金が安いLCCを選ぶ人は、利用した人の口コミなどでこれからもっと増えると思う」(60代男)、「過剰なサービスはいらないと感じている。コストダウンで安い方がいい」(40代女性)、「サービスが有料でも運賃が安ければ定着すると思う」(50代女性)といった意見が寄せられた。

 調査対象にピーチ・アビエーション(APJ)が就航している関西圏が含まれず、首都圏の1都3県となった点について、マクロミルでは「ビジネスマンの利用が多いと想定していた」という。同社では調査範囲を広げるなど、継続的な調査も検討している。

LCCを利用する際、「運賃が安ければ許容できるもの」の回答結果(マクロミルの資料から)

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マクロミル

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