ボーイング, 機体 — 2016年3月16日 10:40 JST

787-10の前部胴体、川重が組立開始 2週間前倒し

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 ボーイングは現地時間3月15日、787型機では胴体が最長の超長胴型787-10について、前部胴体を担当する川崎重工業(7012)が、サーキュラーフレームを量産初号機の胴体に取り付ける作業を始めたと発表した。計画より2週間の前倒しで、14日から開始した。

川崎重工が組立を進める787-10の前部胴体(ボーイング提供)

 787-10は787ファミリーで3機種目となる機体で、2015年12月に詳細設計が完了。部品製造や組立用工具のために必要な情報が決定した。最終組立は米サウスカロライナ州のノースチャールストン工場が担当する。初飛行は2017年、初号機の引き渡しは2018年を予定している。

 787の前部胴体は、787-8が約7メートル、787-9が約10メートル、787-10が約13メートルと、787-10は787-8と比べて約2倍の長さで、787ファミリーでは最長。ボーイングでは、787-9の胴体をそのまま延長することから、効率性と共通性の高さをアピールしている。

 設計と部品の95%は787-9と同一で、製造上の複雑さやコスト、リスクが生産システム全体で軽減され、航空会社に運航上のメリットをもたらすという。

 標準座席数は2クラスの場合、787-9より40席多い330席。航続距離は1万1910km(6430海里)で、双通路機(ワイドボディー機)により運航されている路線の90%以上をカバーできる。置き換え対象となる航空機と比べて燃費が25%以上向上し、次世代の競合機と比較しても10%以上優れているとしている。

 ボーイングは現在までに787-10を、世界の航空会社9社から153機受注。787の総受注数の13%にあたる。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が、国内線用機材として3機発注済み。ANAは2019年度から2020年度にかけて導入する。

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Boeing
ボーイング・ジャパン

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