エアライン, 企業 — 2012年9月3日 22:55 JST

全日空、ラウンジでiPadなどに雑誌を無料配信 日本ユニシスと

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 全日本空輸(ANA)と日本ユニシスは9月10日から伊丹空港のANAラウンジで、ニュースや雑誌などデジタルコンテンツを乗客のiPadなどに無料配信するサービスを共同で開始する。ラウンジ内の無線LANに接続すると利用でき、一部のコンテンツはダウンロードして機内でも閲覧できる。2012年度内に羽田と成田空港の国際・国内線ラウンジでもサービスを開始する予定。

ANAがラウンジで開始する雑誌などデジタルコンテンツの無料配信サービス=9月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

当初は経済誌など23種類のコンテンツでスタート=9月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 当初は経済誌など23種類のコンテンツでスタート。雑誌のほか共同通信社の子会社が配信するニュースや、東京証券取引所によるコンテンツも閲覧できる。配信プラットフォームは日本ユニシスが開発した「LoMeS(ロメス)」を世界で初めて採用。場所や利用者を特定してコンテンツ配信が行える。コンテンツのデータは日本ユニシスやコンテンツ提供事業者のサーバーに置かれるため、全空港共通コンテンツのほか、地域や読者を限定したものを配信できる。

 乗客はラウンジ内でANAが提供する無線LANにiPadなどのタブレット端末やスマートフォン、ノートパソコンから接続。ブラウザーを使用して専用サイトで搭乗便名や性別、年齢を入力してサインインすると雑誌などの閲覧が行える。ダウンロードできるコンテンツも用意し、3時間以内であれば機内などラウンジ外でも閲覧可能にした。

 ラウンジでは従来、新聞・雑誌置き場のスペースの都合上、週刊誌をはじめ一般的な品揃えになりがちだった。置き場の制約がなくなることで、さまざまな分野の雑誌などを用意できる。また、海外の空港では日本語の新聞や雑誌を豊富に揃えにくいが、デジタルコンテンツであれば国内空港と同様のサービス展開が可能になる。

 ANAのCS&プロダクト・サービス室長の福田哲郎執行役員によると、同社のラウンジ利用者は40代から50代のビジネスマンが多く、一人あたりの利用時間は40分程度。ビジネスマンの多い伊丹空港で利用状況を検証し、コンテンツの見直しなどを進めていく。今後は航空券との連動で、目的地に関したコンテンツ提供も検討する。

 福田室長は「分厚くなりがちな女性向けファッション誌も、デジタルコンテンツなら扱えるのではないか」と語り、現在のラウンジ利用者の中心層以外を見据えた品揃えも検討したいという。また、ロメスは電子商取引(Eコマース)も対応可能なため、雑誌の定期購読の申し込みや、出張先で買い忘れた土産物を購入したい乗客のニーズを取り込むことも想定している。

 12年度内の羽田と成田空港でのサービス開始後、13年度以降に地方や海外の空港にも順次展開する予定。

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