官公庁, 空港 — 2015年11月26日 12:51 JST

広島空港、バスを旅客機見立てて消火救難訓練

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 国土交通省大阪航空局と同局の広島空港事務所は11月25日、航空機事故を想定した消火救難総合訓練を実施した。航空局や空港事務所、消防、警察、海上保安庁、広島県など49機関300人が参加し、観光バス2台を旅客機に見立てて訓練した。

広島空港で旅客機のエンジンから火災が発生したことを想定して実施された訓練=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

 今回の訓練は夜間の事故を想定した。羽田発広島行きCAB航空2015便(ボーイング737-800型機)が飛行中、左側にある第1エンジンでトラブルが発生し、第2エンジンのみの飛行となって機長が非常事態を宣言。着陸後に滑走路中央付近で突如第1エンジンから出火し、航空局や地元消防による消火活動と並行して、多数の乗客が負傷したとのシナリオで進められた。

 300人のうち、乗客役は42人。1人が死亡し、42人が重軽傷を負ったとして、搬送訓練が行われ、救急医療活動を実施した。搬送された乗客役には、血のりなど実際のけが人に見えるメークを施した人も配し、けがや病気の緊急性などに応じて治療の優先順位を付ける「トリアージ」も行われた。

 海上保安庁や県の防災ヘリも参加し、重傷者を搬送する訓練も実施。現場の合同指揮所に置かれた指揮卓には、航空機の模型や消防車、救急車のミニカーが置かれ、消防・救急各隊の配置状況がひと目でわかるようになっていた。

 訓練を終え、広島空港事務所の漆島重人空港長は、「情報伝達の訓練がうまく行かなかった。確実にできるよう改善したい」と、今後の課題を指摘。一方で「本格的に実施することで、改善点も発見できたことは収穫だった」と述べた。

 25日の訓練は雨天の中実施されたため、当初参加予定だった県のドクターヘリは、出場を見合わせた。

 広島空港では今年4月14日夜、着陸したアシアナ航空(AAR/OZ)の機体が滑走路を逸脱し、機首を進行方向と逆方向に向けて停止。けが人が発生した。

航空機の模型や消防車、救急車のミニカーが置かれ各隊の配置状況がひと目でわかるようにした合同指揮所に置かれた指揮卓=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

広島空港で旅客機に見立てた観光バスに放水する消防車=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

旅客機に見立てた観光バスから救助される乗客役の男性=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

旅客機に見立てた観光バスから救助される乗客役の人々=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

旅客機に見立てた観光バスから救助される乗客役の人々=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

救急車に乗せられる救助された乗客=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

救護所で実施された救急医療訓練=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

救護所で実施された救急医療訓練=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

重傷者を搬送するため飛来した海上保安庁のヘリ=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

重傷者を搬送するため飛来した広島県の防災ヘリ=11月25日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

関連リンク
国土交通省
大阪航空局
広島空港

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