エアバス, 機体 — 2015年5月13日 18:30 JST

東大が決勝進出 エアバスのコンテスト、ドローン活用で挑戦

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 エアバスが世界中の大学生を対象に、未来の航空輸送を描く斬新なアイデアを募集するコンテスト「Fly Your Ideas」の決勝戦に、東京大学のチームが進出した。全518チームの中から、東大を含む5チームが予選を経て進出。決勝戦は5月27日に独ハンブルクで開かれる。

エアバスのコンテスト決勝に進出した東大Birdportチームの宮谷さん(中央)とメンバー=3月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同コンテストの第1ラウンドには、104カ国から518チーム、3700人が出場。エアバスの技術者や専門家ら50人以上によって審査が行われ、第2ラウンドには100チームが進出した。日本の大学からは12チームが参加し、東大と早稲田大学の2チームが第2ラウンドに進んだ。

 第3ラウンドとなる決勝に進んだ東大チーム「Birdport(バードポート)」は、バードストライクを減らすため、空港周辺に「バードポート(人口営巣地)」の設置を提案する。ドローン(無人機)を使い、鳥を人口営巣地へ誘導することで、航空機のバードストライクを大幅に低減させるアイデアだ。

 群れ鳥の行動パターンが「引き離し・整列・結合」の3つに分類される「ボイド・モデル」などを基に、ドローンでバードポートへ追い込む。シミュレーションの結果、100羽の鳥を誘導するのには30機のドローンが必要になるという。ドローンは鳥の追い込みに最適化したフライトパターンで誘導することを想定している。

 バードポートには、鳥の鳴き声とデコイ(おとり用の鳥の模型)により、その地域の鳥にとって自然で安全な営巣地を作る。これらの対策でバードストライクを低減し、航空機の運航効率向上を目的としている。

 メンバーは、大学院工学系研究科・航空宇宙工学専攻の宮谷聡さん、大学院新領域創成科学研究科・社会文化環境学専攻の木村元紀さん、工学部システム創成学科の中村友哉さんと上西智さん、スクリット・ウィナヤウェーキンさんの5人が参加している。

 決勝に進出したのは東大のほか、オランダのデルフト工科大学、中国の西北工業大学、ブラジルのサン・パウロ大学、英国のシティ大学ロンドンの5チーム。最優秀チームには賞金3万ユーロ(約393万円)が、2位のチームには1万5000ユーロが贈呈される。

 同コンテストは、世界中の大学生を対象に開催。若者たちの想像力を伸ばし、航空輸送の常識を打ち破るアイデアの創出が狙い。2年おきに開催しており、今回で4回目。パリ航空ショーでは、上位進出した学生にライバルの機体メーカーも接触を図るほど、業界内では有望な若者を発掘するイベントとして、注目を集めている。

バードポートのイメージイラスト(エアバス提供)

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Fly Your Ideas(Airbus)

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