エアライン, 企業 — 2014年9月1日 22:37 JST

HISとANAセールス、新会社設立 訪日外国人向けに個人旅行販売

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 エイチ・アイ・エス(HIS、9603)とANAセールスは9月1日、合弁会社を設立し、2015年春から営業を開始すると発表した。訪日客の個人旅行需要を取り込む。新会社の社名は、11月の会社設立までに決める。

新会社設立に向けて握手を交わす(左から)HISの平林社長、新会社の深木社長と廣岡副社長、ANAセールスの白水社長=9月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 出資比率はHISが51%、ANAセールスが49%で、資本金は6億円。社長にはHISの深木重和・本社新規事業開発室長が、副社長にはANAセールスの廣岡伸雄・経営企画部担当部長が就任する。社員数は当初7、8人でスタート。商品造りや予約管理などに特化し、少人数で運営する。

 新会社は訪日外国人に対して、個人向けの国内パッケージ旅行を販売。地方都市の魅力を自治体などと協力して売り込む。HISの強みである海外店舗網を生かし、全日本空輸(ANA/NH)の国内線と国内のホテルやレンタカーを組み合わせたパッケージ商品を販売する。パッケージで使う国際線の航空会社は、ANA以外の便も使用するが、国内線はANA便を用いる。

 HISの海外拠点は58カ国122都市177拠点。新会社の旅行商品は店頭販売のほか、HISが運営する39カ国のウェブサイト上でも展開する。

 新会社の深木社長は、「店舗販売を重視する。これまで訪日外国人が訪れる都市は東京や大阪など国際線の就航地までだったが、地方都市にも足を伸ばしてもらいたい」と述べた。売上については、「2020年には100億円、送客数20万人を目指したい」と目標を掲げた。

 廣岡副社長は、「(ANAセールスは)これまで国内の利用者が中心だったが、地域と連携して海外に地方の魅力をアピールしていく。これまで地方を訪れることがなかった外国人に訪れてもらう」と語った。

 新会社が販売で注力する地域について、HISの平林朗社長は「個人旅行が発展しているのは北米や欧州。アジアでは団体旅行を経験している台湾や韓国」として、欧米を中心に訪日客を取り込み、アジアでも展開していく考えを示した。

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