エアライン, 解説・コラム — 2013年10月31日 19:15 JST

ジェットスター・ジャパンが増資 カンタスと日航から110億円

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 ジェットスター・ジャパン(JJP)は10月31日、同社へ出資するカンタス航空(QFA)と日本航空(JAL、9201)に対し、110億円の第三者割当増資を実施した。JJPの増資は今回で4度目。

カンタスとJALから増資を受けたジェットスター・ジャパン=13年10月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JJPには2社のほか、三菱商事(8058)と東京センチュリーリース(8439)の計4社が出資。今回はQFAとJALの2社が55億円ずつ、計110億円を出資。増資により、QFAとJALの出資比率はこれまでの41.7%ずつから45.7%ずつに上昇したが、三菱商事と東センは出資しないため、従来の8.3%ずつから4.3%ずつに低下した。議決権のない株式による増資のため、議決権ベースの出資比率は、QFAとJALが33.3%ずつ、三菱商事と東センは16.7%ずつで変更はない。

 JJPの2013年6月期通期決算は、88億3400万円の純損失で、営業収入は128億1900万円、営業損失が64億6100万円、経常損失が88億2200万円だった。株主資本が5億1500万円まで減少しているが、JJPによると運転資金がショートする状況ではなかったという。

 機材は、現在エアバスA320型機を18機保有しており、このうち運航に使用している機材は12機程度。2012年11月から予定していた関西空港の第2拠点化が1年以上遅れているため、国内線13路線にとどまっており、今年の年末までに予定していた国際線就航も延期となっている。

 一方で、14年末までに24機に増機するとしていた計画について、「受領するペースは落ちるかもしれないが、計画は変更しない」(JJP担当者)という。

 JALの植木義晴社長は、増資について「LCCビジネスは単年度で黒字化するものではなく、少なくとも3年くらいみていく事業。想定より若干厳しい状況だが、今後が十分期待できる会社」と述べた。

 JJPによると、今回の増資に関連した出向者の受け入れはないという。

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