エアライン, 企業, 機体, 空港 — 2017年12月26日 15:10 JST

宮崎空港、Q400対応の搭乗橋 国内初導入、ビルから機体まで直接乗降

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 宮崎空港のターミナルビルを運営する宮崎空港ビルは12月26日、小型機に対応した搭乗橋(PBB)の供用を開始した。三菱重工業(7011)のグループ会社でPBBなどを手掛ける三菱重工交通機器エンジニアリング(MHI-TES、広島県三原市)が製造したPBBで、機体のドアの高さが低い、ターボプロップ(プロペラ)機のボンバルディアDHC-8-Q400型機にも装着できる。

小型機対応ロングPBBと接続したQ400に搭乗する利用客=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
国内初、Q400対応のPBB
構想から5年がかりで開発
1日10便がQ400
増加する小型機での運航

国内初、Q400対応のPBB

 国内初導入となる「小型機対応ロングPBB」で、開放感あふれるガラストンネル式を採用。外観は南国リゾートである宮崎の青い空と山の緑、宮崎空港の愛称となったブーゲンビリアの花をあしらった。

 全長29メートルから41メートル、地上高は1.1メートルから4.0メートルまで対応する。宮崎空港6番と10番搭乗口に1基ずつ設置する。機体とPBBをつなぐヘッド部分には旋回式の渡り板を設け、乗降時に渡り板の上を歩いて利用する。従来のアルミ製PBBは全長19メートルから35メートル、地上高は2.2メートルから5.0メートルで、地上高が低くなった分、Q400にも装着できるようになった。

 宮崎空港ビルによると、小型機対応ロングPBBの導入により、旅客の移動時間短縮や、地上係員の負担軽減が期待できるという。

 従来のPBBは、Q400など100席未満のリージョナル機には直接接続できず、乗客が駐機場を歩いていき機体のステップを用いるか、空港によっては機体とPBBの間に「PBBアダプター」をかまして運用していた。ロングPBBは緩やかなトンネル傾斜を維持し、全機種に接続できるようヘッド構造や昇降装置、走行装置、トンネル部などの設計を見直したという。

供用を開始した小型機対応ロングPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

供用を開始した小型機対応ロングPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

従来のPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

構想から5年がかりで開発

小型機対応ロングPBB導入前の搭乗風景を示す宮崎空港ビルの長濵社長=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 宮崎空港ビルとMHI-TESは、構想から5年がかりでロングPBBを開発。このほか、トンネル通路内に段差がない「ステップレスPBB」も3基導入している。ステップレスPBBもロングPBB同様、ガラス製とした。

 ステップレスPBBは、PBBを構成する大枠トンネル通路と、内側の小枠トンネル通路がスライドして伸縮する構造上、避けられないと考えられていた段差を解消。大小トンネル通路の床をフルフラット化した。また、大枠トンネル通路床の両脇に設けられていた「雨どい」の溝もなくし、車いすを使う場合でも安全に移動できるバリアフリー構造にした。

 宮崎空港ビルの長濵保廣社長は「これまで(Q400などの)小型機は、徒歩やバスで搭乗するものだと思われていた」とし、ロングPBBにより「どの機種が来ても対応できる」と胸を張った。

 宮崎空港には現在、ガラス製のPBB 5基のほか、従来のアルミ製PBBが6基ある。長濵社長は6基についても、5年をかけてガラス製に変更するとの意向を示した。

1日10便がQ400

 初便となったのはオリエンタルエアブリッジ(ORC、NGK)の福岡発ORC65便(Q400、登録番号JA845A)で、宮崎には午前10時40分に到着する。同路線にはORCがANAホールディングス(ANAHD、9202)からリース導入しているQ400を投入している。

 現在、宮崎にはORCや、ANAHD傘下で地方路線を担うANAウイングス(AKX/EH)便を含め、Q400が1日10便(往復)乗り入れている。今後、すべての便で段階的にロングPBBを導入していく。

増加する小型機での運航

 宮崎空港ビルは1990年、新ターミナルビルをオープン。オープン当初の宮崎空港の運航数は1日27便(往復)で、大部分にボーイング767型機など、200席を超える機材が投入されていた。27便中、PBBを接続できない小型機での運航は4便だった。

 旅客数がピークとなった1997年は41便を運航し、うち小型機は3便だった。

 現在は機材の小型化や多頻度運航が進み、1日に47便運航。うち、従来のPBBを利用できないQ400など小型機は10便で、エンブラエル170型機(E170)やE190など、従来のPBBを接続できるが急勾配になるものも13便ある。

Q400と接続する小型機対応ロングPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

Q400と接続する小型機対応ロングPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

Q400と接続する小型機対応ロングPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

Q400と接続した小型機対応ロングPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

小型機対応ロングPBBと接続したQ400から降機する利用客=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

小型機対応ロングPBBと接続したQ400に搭乗する利用客=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

Q400と小型機対応ロングPBBをつなぐ旋回式の渡り板=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

開放感あふれるガラストンネル式の小型機対応ロングPBB=17年12月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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