エアライン, ボーイング, 機体 — 2016年8月29日 12:25 JST

ANAの787、操縦席窓にヒビ 那覇へ緊急着離

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 8月28日午前3時ごろ、全日本空輸(ANA/NH)の羽田発シンガポール行きNH843便(ボーイング787-8型機、登録番号JA874A)が沖縄県石垣島上空を飛行中、コックピット左側窓の強化ガラス1枚にヒビが入り、那覇空港へ緊急着陸した。乗客203人(幼児1人含む)と乗員11人にけがはなかった。

操縦席窓にヒビが入ったANAの787-8の同型機=16年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ヒビが入ったのはコックピット正面に4枚ある窓のうち、中央左側(進行方向)の1枚。窓板3枚を含む5層構造のうち、一番外側の強化ガラスにクモの巣状のヒビが入った。左側席に座る機長の視界を遮る大きさのヒビだったため、石垣島の南西約25キロの高度4万フィート(約1万2000メートル)で午前3時8分ごろ発生し、午前4時21分に那覇へ到着した。

 一番外側のガラスは客室内の気圧が掛からない構造になっており、ANAによると那覇到着まで客室の気圧は正常な状態だったという。

 乗客は28日午後5時9分、別の機材(787-8、JA838A)で那覇を出発。シンガポールには14時間44分遅れとなる、午後9時14分に到着した。

 トラブルが起きたJA874Aは中距離国際線仕様機で、座席数は240席(ビジネス42席、エコノミー198席)。2015年11月11日に、ANAを傘下に持つANAホールディングス(9202)が受領している。

 ANAの787では3年前の2013年1月11日に、羽田発松山行きNH585便(787-8、JA816A)で今回と同様、コックピット中央左側窓の一番外側にあるガラスに、クモの巣状のひびが約1メートル四方に入った。この影響で、松山から折り返すNH590便を欠航している。

 また、ANAではこの窓ガラスのヒビとは別の問題として、同社の787が採用している英ロールス・ロイス(RR)製エンジン「トレント1000」で、中圧タービンのニッケル合金製タービンブレードが破断するトラブルが3件発生。メーカー規定よりもブレードを早期交換する必要が生じたため、8月26日から9月末まで国内線の一部に欠航が発生している。

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