日英伊3カ国による次世代ステルス戦闘機の開発計画「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」で、機体設計・開発を担う合弁会社「エッジウィング(Edgewing)」は現地時間10月9日、イタリア北部トリノに開発拠点を開設した。3カ国に設ける設計・エンジニアリング拠点の第1号で、今後数カ月以内に日本と英国にも拠点を開設する計画を進めている。

トリノに開設されたGCAPの次期戦闘機開発拠点開所式でテープカットするエッジウィングのマルコ・ゾフCEO(左から5人目)ら(同社提供)

トリノに開設されたGCAPの次期戦闘機開発拠点開所式で挨拶するエッジウィングのマルコ・ゾフCEO(同社提供)
トリノの新拠点には、日英伊3カ国の技術者が集まり、GCAPの機体開発に取り組む。数百人の技術者が勤務する見込みで、当初はエッジウィングに出資する3社からの出向者で構成する。日本から家族とともにトリノへ生活拠点を移す出向者もいるという。
エッジウィングの初の国別組織となる「エッジウィング・イタリア」は、本格稼働時に約1000人が勤務する計画。これとは別に、レオナルドの従業員1000人超が、エッジウィングの出資企業としてレオナルドが担う業務に従事する計画。主にトリノと近郊のカゼッレに配置され、イタリア国内のほかの拠点も関与する。

ファンボロー航空ショーの会場で展示準備が進むGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
エッジウィングは2025年6月に設立され、英国レディングに本部を置く。同地にはGCAPを監督する政府間組織「GIGO(GCAP International Government Organisation)」のGCAPエージェンシーも本部を置いており、今回のトリノは共同本部とは別に設ける最初の開発拠点となる。日本と英国に開設する拠点も、トリノと同様に設計・エンジニアリング業務を担う。
エッジウィングは、英BAEシステムズ、伊レオナルド、日本航空機産業振興(JAIEC)の3社がそれぞれ33.3%を出資する合弁会社。GCAPの機体設計・開発を担う主契約企業で、機体の運用期間を通じて設計責任を負う。一方、機体の生産や最終組立は、各国の産業界とサプライチェーンが担当する。
トリノ周辺には航空機の開発・製造に関わる産業が集積しており、レオナルドはカゼッレでユーロファイター戦闘機の最終組立を手掛け、トリノでは設計・エンジニアリング業務を担っている。同社はトリノを含むピエモンテ州で約5200人を雇用しており、このうちカゼッレが約2200人、トリノが約1800人。州内には同社の取引先が約420社あり、2025年の発注額は約7億4000万ユーロに上る。
GCAPエージェンシーは今年7月3日に、エッジウィングと46億ポンドの契約を締結した。3カ国が共同で資金を拠出する18カ月間の契約で、高度な分析や構想検討の段階を完了し、その後の詳細設計・開発段階へ進むためのもの。GCAPは2035年の就役を目指しており、機体には高度なセンサーや通信技術、AI(人工知能)による操縦士支援、ステルス技術などを導入する構想を掲げている。

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップのコックピット部分=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関連リンク
Edgewing
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