鹿児島県と全日本空輸(ANA/NH)グループで貨物事業の中核を担うANAカーゴ(ANA Cargo)、エニキャリ、朝日新聞社、オービジョンの5者は9月15日、航空貨物と新聞配送網などを組み合わせた物流モデルについて、2026年度も事業化・定着に向けた検討を進めると発表した。国土交通省の「地域の事業者間連携を通じた物流生産性向上推進事業」に採択され、国交省の補助金事業として2年連続の採択となった。今年度は地域の荷主ニーズの発掘を支援するオービジョンが加わった。

航空貨物と新聞配送網などを組み合わせた物流モデルの事業化を検討するANAグループ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
5者は「航空貨物幹線及び地域配送網構築推進協議会」で、鹿児島と首都圏を航空貨物で結び、鹿児島県内ではエニキャリ、首都圏では朝日新聞社の配送網を活用する。ANAカーゴの航空輸送網と地域配送を組み合わせ、トラックによる長距離の幹線輸送を補完・代替する。
前年度は陸送と航空輸送を組み合わせた「当日配送スキーム」を実証し、今年1月22日に鹿児島県産の月日貝を東京都内のレストランへ、23日にはスナップエンドウを東京都内へ輸送した。資料では、一定の価格訴求の創出と配送時間短縮効果の可能性を検証し、配送の見える化や新たな物流としての価値創出を実現したとしている。
2026年度は、航空機やトラックの空きスペースをエニキャリの配送管理システムで可視化して活用し、配送コストを10%以上削減することを目指す。航空機の空きスペースを使った配送によるCO2削減効果の評価方法も策定する。
今後は、保冷品など異なる温度管理が必要な貨物の輸送も検討し、荷主のニーズを掘り起こしながら実際の輸送回数を増やし、継続的に運用できる体制を検討する。
資料では、2030年度に想定されていた約34%の輸送力不足は克服されつつある一方、人口減少や少子高齢化が進む2050年度に向けては、さらなる輸送力不足が見込まれるとしている。特に幹線輸送への影響が大きいとみて、航空貨物と地域配送網を組み合わせた物流モデルの確立を進める。
関連リンク
鹿児島県
全日本空輸
ANA Cargo
エニキャリ
朝日新聞社
オービジョン
・ANA貨物新ブランド「ANA Nippon Cargo」に 27年4月から(26年9月14日)
・ANAカーゴ、鹿児島県・朝日新聞らと物流実証 配送網活用で首都圏へ当日配送(26年1月16日)
