エアバスは現地時間11月3日、インドネシア国防省へA400M初号機を納入した。同国がA400Mを受領するのは初めてで、インドネシア空軍が運用する。

インドネシア空軍のA400M初号機(エアバス提供)
A400M初号機はスペイン・セビリアのエアバス工場で引き渡された後、ジャカルタのハリム空軍基地で納入式典が開催された。インドネシアは2021年に2機を発注しており、2機目は2026年に納入される見通し。
エアバス・ディフェンス・アンド・スペースのカール=ハインツ・グロスマン国際部門責任者は、インドネシアがA400Mの10番目の運用国となることに言及。複雑な地形を含む多様な環境で運用できるA400Mの多用途性に対する信頼が示されたと述べた。
エアバスはインドネシア空軍に対し、運用開始を円滑に進めるため、包括的な訓練と支援サービスを提供。また、A400Mに新開発の消火装備を搭載する検討に関する覚書をインドネシアと締結した。このロールオン/ロールオフ式のモジュール型装備により、一度の飛行で最大2万リットルの消火薬剤または水を投下できる。
インドネシア向けA400Mは貨物や部隊輸送、緊急医療搬送(MEDEVAC)、人道支援任務に対応する。ペイロードは最大37トンで、ヘリコプターや車両、救援物資といった大型の積載物を運べる。ペイロード30トンの場合、航続距離は2400海里となり、短い滑走路や未舗装地でも運用できる。また、空中給油にも対応している。
