日本航空(JAL/JL、9201)と、JALが出資し観光農園などを手掛けるJAL Agriport(JALアグリポート、成田市)、北海道大学の3者は10月9日、農業に再生可能エネルギーを活用する「カーボンゼロ農業」への学術コンサルティング契約を締結したと発表した。通常は冬から春に生産するイチゴを1年を通じ生産し、安定的な「周年栽培」の実現を目指す。

イチゴの周年栽培へ北大と学術コンサルティング契約を締結したJALアグリポート=22年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JALと北大の2者は、2022年6月に連携協定を締結済み。今回の学術コンサルでは、北大大学院農学研究院の知見を、JAL Agriportが運営する農園で栽培するイチゴに活用する。また遠隔サポートなどにより、周年栽培へのアドバイスを提供する。
イチゴは通常、冬から春に生産される。農学研究院の知見により夏季にも栽培し、年間を通じた安定的で高単価なイチゴの周年栽培を目指す。また、大学院農学研究院のネットワークを活用した農園連携も予定する。
JAL Agriportが運営するイチゴ農園「STRAWBERRY PORT ICHIGONOMI(ストロベリーポート イチゴノミ)」では、イチゴ狩りが体験できる。約5000平方メートルあるビニールハウス内には滑走路を模した通路を備え、収穫体験を提供する。今年は1月2日から5月31日まで開催した。
同社は、CO2(二酸化炭素)排出量を実質ゼロにする「カーボンゼロ農業」の実証を今年7月に開始。カーボンゼロ農業には、再生エネルギー比率を高めるため高額な設備投資と運営コストが必要な一方、年間を通じた安定的な収益確保などが課題となっている。
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