エアバス, エアライン, 企業, 機体 — 2024年4月11日 11:46 JST

ヤマトHD、“クロネコ貨物機”増機検討 A321P2F、需要見極め新就航地も

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 ヤマトホールディングス(9064)の長尾裕社長は4月11日、同日に就航したエアバスA321ceo P2F型貨物機について、増機も視野に入れる意向を示した。現在は3機保有しており、需要動向などを見極めながら検討を進めていく。

成田空港を出発し滑走路へ向かうヤマトのA321ceo P2F貨物機初便の那覇行きIJ451便=24年4月11日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ヤマトのA321ceo P2F貨物機初便就航を横断幕で祝うヤマトHDの⾧尾社長(中央)、JALの赤坂祐二会長(中央左)、スプリング・ジャパンの浅見達朗社長(中央右)ら=24年4月11日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 長尾社長は「このビジネスを始める際に、最低でも5機ないと採算性が合わないのではないか、とのご指摘をいただいた」とした上で、当初は「本当のミニマム」(長尾社長)の3機体制でスタートさせたという。長尾社長によると、発注から受領までは2年程度かかるようで、「1年目で手応えを見極めながら、発注する・しないの意思決定をしたい。最低5機は視野に入れながら、検討を進める」とした。

 また、新たな就航地については、「全国各地から『需要あるから飛ばしてくれ』という話しもらっている。需要とにらみながら進めていきたい」と述べるにとどめた。

 ヤマトのA321P2Fは3機で、初号機(登録記号JA81YA)と2号機(JA82YA)は導入済み。3号機(JA83YA)は4月19日に成田への到着を予定している。A321P2Fは、中古のA321ceo(従来型A321)旅客機を貨物専用機に改修したもので、10トン車約5-6台分に相当する1機当たり28トンの貨物を搭載でき、東京を起点にすると台湾や香港まで飛行できるという。ヤマトHDは3機リース導入する計画を進めている。

 整備やランプハンドリングなどは日本航空(JAL/JL、9201)が、運航などはJALグループのLCC、スプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)が担う。

 就航当初は、成田-札幌線を1日2往復4便(IJ403/406、IJ405/408)、成田-北九州線を1日3便(成田発IJ425、北九州発IJ422と426)、成田発那覇行きを1日1便(IJ451)、那覇発北九州行きを1日1便(IJ456)運航。夏ごろをめどに、羽田空港を深夜早朝に発着する札幌線と北九州線の運航を始める。

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ヤマトホールディングス
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