エアライン, 企業, 空港 — 2024年2月13日 16:45 JST

ANA、“グラハン女子”漫画制作に全面協力 「縁の下の力持ち」リアルに描く

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 航空業界を舞台とした漫画が、2月13日から小学館の月刊誌『ベツコミ』で連載を開始した。主人公はグランドハンドリング(グラハン、地上支援)として働く女性で、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が制作に全面協力した。連載開始を記念し、羽田空港でANAのグラハンスタッフらが会見した。

漫画『ブルーフライト』掲載初号の『ベツコミ』を手にするANAASの薄葉さん=24年2月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 のの子さんが手掛ける新連載漫画『ブルーフライト ~グラハン女子物語~』は、グラハンとして働く23歳の女性「長浜ここね」が主人公。沖縄の離島で育ったここねは、幼いころから羽田空港のグラハンになるのが夢だった。ここねはANAグループでグラハンや運航支援、旅客サービス業務などを担うANAエアポートサービス(ANAAS)に入社し、2年が経過。物語はここから動き出す──。

 取材に応じたANAASの小山田亜希子社長は、PBB(搭乗橋)の機体へに取り付けや手荷物搭載、出発機をプッシュバックするトーイングカー(けん引車)の操作など、多岐にわたるグラハン業務を紹介。小山田社長は「グラハン=力仕事、というイメージ。以前は男性が中心だったが、最近は女性の活躍が著しい」とし、グラハン業界全体では約2割が女性であると説明した。小山田社長はグラハン業務を担う事業者50の業界団体「空港グランドハンドリング協会(AGHA)」の会長も務めている。

 小山田社長は、これまでのドラマや映画で航空業界を取り上げられる場合、主人公がパイロットか客室乗務員(CA)とした上で、「航空業界はチームワークなくしては成り立たない。グラハンは『縁の下の力持ち』。重要な役割だが、グラハンに焦点をあてたドラマやマンガがなかった」と述べ、作品を通じグラハンの魅力を伝えていきたいとした。

小学館の『ベツコミ』で新連載の漫画『ブルーフライト』を「リアルに描かれている」と話すANAASの薄葉さん=24年2月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 “グラハン女子”を代表し、ANAASのランプサービス部で機側責任者を務める薄葉七海(うすば・ななみ)さんも取材に応じた。薄葉さんは2017年入社の7年目で、現在は多くのグラハン業務を担っているが、就職活動時に航空業界に興味あったものの、グラハンを知らなかったという。作品を読み「リアルに描かれている」との印象を持ったようで、「作品を通じ、グラハンと航空業界を知ってもらいたい」と話した。

 作品を連載するベツコミ編集部の前田未央編集長によると、作品の制作準備は2023年に始まり、作者ののの子さんらと羽田での取材を重ねたという。前田編集長はグラハンを知らなかったものの、取材を進めるうちに暑さや寒さなど、過酷な状況の中でも冷静に業務をこなすグラハンのいスタッフに「驚きの連続」だったという。前田編集長は「グラハンを多くの読者にも知ってもらいたい。緻密な作画でひたむきな姿描いている」とPRした。

 作者ののの子さんは会見には姿を見せなかったが、ベツコミ編集部で編集を担当する高野悠さんがメッセージを代読。のの子さんも前田編集長同様にグラハンを知らなかったものの「おこがましいと思ったが、取材を進めるうちに考え変わった」という。取材ではけん引車のプッシュバックが印象に残ったようで「職人技」と評した。

 作品を掲載する月刊誌『ベツコミ』は毎月13日ごろ発売。

小学館の『ベツコミ』で新連載の漫画『ブルーフライト』をアピールするANAASの小山田社長(中央右)とベツコミの前田編集長(中央左)ら=24年2月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸
ANAエアポートサービス
ベツコミ(小学館)

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