2024年度に入社する新卒採用選考の活動開始日となった6月1日、各企業では面接が解禁となり、採用活動が本格化した。航空各社でも旅行需要の高まりなどを受け、新卒の採用を強化している。ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は、新卒採用を進める5職種のうちグローバルスタッフ職(旧総合職)2職種の1次オンライン面接をスタートした。

グローバルスタッフ職の面接を進めるANAの社員=23年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
—記事の概要—
・1人20分のオンライン面接
・「皆さんを迎える準備できている」
1人20分のオンライン面接
オンライン面接は、羽田空港近くの総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」で実施。3日間の日程で、初日は約300人が受験する。学生1人につき20分程度の面接時間で、面接を担当する社員2人で進め、自己紹介や自己PR、志望動機、入社後にやりたいことなどを質問した。面接官は学生の回答をうなずきながら聞き、評価していた。

グローバルスタッフ職の面接を進めるANAの社員=23年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

グローバルスタッフ職の面接後に感想を話し合うANAの社員=23年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
グローバルスタッフ職(事務職・技術職)の面接はオンラインの一次と二次、対面式の最終面接で進める。4年ぶりの採用となる客室乗務職は、6月6日から3日間の日程で面接し、オンラインの一次、対面式の二次と最終面接で進めていく。
ANAが新卒採用するのはグローバルスタッフ職(旧総合職)の事務職と技術職、客室乗務職、運航乗務職(自社養成パイロット)、エキスパートスタッフ職(障がい者採用)の5職種。採用予定人数は事務職が60人、技術職が65人、客室乗務職が430人、自社養成パイロットが未定、障がい者採用が10人程度を予定する。自社養成パイロットとエキスパートスタッフ職の面接も順次始める。
ANAグループ全体では、34社で約2700人を採用する見通し。
「皆さんを迎える準備できている」

24年度の新卒採用で受験者にエールを送るANA人事部の片桐担当部長(右)と北脇さん=23年6月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
ANAは2024年度の新卒で、客室乗務員の採用を4年ぶりに再開するなど、人員確保を強化している。同社で採用を担当する人事部の片桐伸樹担当部長は、採用強化について「航空需要が大きく回復しているため」と説明。今回の志望者の傾向を「業務内容や働き方など、キャリアイメージを研究して受験しているように感じている」とし、「新しいANAを一緒に作っていくんだ、という人に入社いただきたい」と述べた
人事部で客室乗務職採用を担当する客室乗務員の北脇里佳さんは、新卒採用がなかった3年間を「空席が多い機内や閉店した空港テナントなどを目の当たりにした。つらい時期だった」と振り返った。現在は企業説明会やイベントなどに参加する学生を通じ、「学生の目の輝きからパワーをもらっている」という。北脇さんは“未来の後輩”に向け「皆さんを迎える準備はできている。安心して入社して」とエールを送った。
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【お知らせ】
タイトルをYahoo!ニュースと合わせました。(23年6月1日 15:40 JST)