エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2013年7月13日 16:00 JST

オートメーションシステムが招く錯覚 特集・アシアナ機事故とヒューマンファクター(3)

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 前回は事故機(ボーイング777-200ER型機、登録番号HL7742)の最終進入経路(降下パス)について解説した。このような降下パスとなった背景には、数々の要因が考えられる。正式なものは米国家運輸安全委員会(NTSB)の発表を待つべきだが、パイロットであれば、おおよその操縦の流れについては想像できるだろう。

 そして、程度の差こそあれ、あのような降下パスになることが決して珍しいことでないことも知っているはずだ。一度もつんのめった経験のないパイロットがいたら名乗り出て欲しい。筆者も、もちろん「つんのめった」経験がある一人だ。

混雑空域、空港は自由に飛べないのが当たり前

事故機の垂直尾翼を撮影する調査官(NTSB提供)

 筆者はサンフランシスコ国際空港への着陸経験はない。しかし、特定の空港の特定の進入方式、あるいは特定の滑走路への着陸において、数々の要因(出発機の飛行経路や近傍空港の進入経路との交錯、小型航空機の混在や騒音軽減の要求など)により、最終進入許可あるいは着陸許可が出るまでの一定の時間、管制官の指示により、余裕を持って速度を落とし高度を下げることができないケースは、少なくない。サンフランシスコ空港は小型機の多さ、ニアミスの多さで有名だ。

 日本の空港でも、例えば、悪天候時の羽田空港、B滑走路(22)へのILS進入では、ある進入経路上のポイントまでは先行機との間隔維持と後続機への配慮や騒音軽減の観点から、なかなか速度を落とし高度を下げられないことが知られている。

 最終進入許可が出て初めてスピードブレーキを目一杯引いて速度を落とし、


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