官公庁 — 2019年3月20日 14:48 JST

管制官もアルコール検査 国交省、4月から義務化

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 国土交通省航空局(JCAB)は3月19日、航空管制官のアルコール検査を義務化すると発表した。航空各社でパイロットによる飲酒問題が多発していることによるもので、4月1日から開始する。

4月から管制官のアルコール検査を義務化=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 管制業務に従事する航空管制官と航空交通管理管制官、航空管制運航情報官、航空管制通信官が対象となる。業務開始前にアルコール検査を実施。アルコールが検知された場合は業務に従事させない。検査時には管理職員が立ち会い、日時や名前、数値など検査結果を記録し保存する。

 検査にはストロー式の検知器を使用。ストロー式はアルコール量を数値化して表示でき、従来多くの航空会社で導入していた吹きかけ式の検知器と比べ、高精度な検査が可能となる。ストロー式検知器は2月から暫定導入しており、準備が整ったことから、4月から義務化する。

 航空各社では2017年から今年にかけて、パイロットらによる飲酒トラブルが頻発。日本航空(JAL/JL、9201)は2018年10月28日に、男性副操縦士(当時)からロンドン・ヒースロー空港で乗務前に基準を超えるアルコール値が検出され、英国で身柄を拘束された。この副操縦士は英国で禁錮10カ月の判決が言い渡され、懲戒解雇処分となった。

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)では、3月15日、国際線に乗務予定だった40代男性副操縦士から乗務前にアルコール反応が検出され、パイロットの交代が発生した。

 JCABはエアージャパンなど5社に対し、パイロットに対する乗務前のアルコール検査でアルコール値が国の基準を大きく超えたり、検査を実施せずに乗務したことから、3月8日に厳重注意している。

アルコール検査の対象となる管制業務(国交省の資料から)

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国土交通省

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