エアライン, 空港 — 2018年9月26日 10:10 JST

羽田空港、首都直下型地震想定し防災訓練 高所救助も初実施

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 羽田空港国内線第2ターミナルで9月25日、首都直下型地震の発生を想定した総合防災訓練が行われ、ターミナルを運営する日本空港ビルデング(9706)や第2ターミナルに乗り入れる航空会社などの社員ら約100人が参加して行われた。春と秋の年2回実施している訓練で、今回は空港近くの東京消防庁蒲田消防署空港分署の特別救助隊(空港R)が、高所から逃げ遅れた人を救助する訓練も初めて盛り込まれた。

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練に参加する関係者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 訓練は、マグニチュード7クラスの首都直下型地震が起きたことを想定。震度7が記録され、震度6強が広範囲で観測される規模のもので、空ビルによると、今回は6日に発生した「平成30年北海道胆振東部地震」や、4日に起きた台風21号による関西空港の水害などを考慮してシナリオを作成したという。

 毎年3月と9月ごろに行われている訓練で、会場となった第2ターミナルのD保安検査場付近では、訓練開始とともに地震から頭を守る姿勢を取るよう指示が出され、消火器による火災鎮圧や、けが人を仮設の救護所に運ぶ訓練などが行われた。

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で人形を使い高所から逃げ遅れた人の救助訓練を行う東京消防庁蒲田消防署空港分署の特救隊員ら=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で余震が発生したことを想定し救助活動現場から脱出する東京消防庁蒲田消防署空港分署の特救隊員ら=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ターミナルには、大きな被害がなかったことを想定。しかし、高所で建物の安全確認をしていた作業員が取り残されたとのシナリオで、特救隊員がロープと担架を用いて、救助する訓練が初めて行われた。また、救助完了直後に余震が起きたと想定し、高所で活動中の隊員2人が、地上の隊員と連携して素早く脱出する、隊員の安全管理体制の確認も行われた。

 現場で指揮を執る蒲田署大隊長からは、「252(要救助者)」の早期救助を最優先とする活動方針が出されるとともに、隊員の安全管理による二次災害防止が徹底された。

 また、AED(自動体外式除細動器)を人形で体験する訓練を実施。東京消防庁の起震車による震度6強体験コーナーや、煙が充満する室内を体験するコーナーなどが設けられた。

 国土交通省の森本園子・東京国際空港長は、「羽田空港の利用者数は(国内線と国際線合計で)昨年8500万人を超えた。1日23万人にのぼる利用者の安全を確保する上で、働く人のリーダーシップは不可欠」と、参加者に呼びかけた。

 空ビルで防災関係を統括する加藤勝也常務は、「細かなシナリオを参加者に知らせない形で実施した。次回はもっと現実に近いものを考え、訓練の質を高めたい」と語った。

 訓練終了後は、災害発生時に空港利用者などに配る非常食が参加者に手渡された。空ビルによると、第1・第2両国内線ターミナルで1万1000人が3日間過ごせる量を備蓄しており、国際線ターミナルは別途用意しているという。

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で頭を守る姿勢を取るよう指示する参加者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で頭を守る姿勢を取る参加者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で消火器による小規模火災の消火訓練を行う参加者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で負傷者の搬送訓練を行う参加者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で負傷者の応急処置訓練を行う参加者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で負傷者の応急処置訓練を行う参加者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で高所から逃げ遅れた人を演じる関係者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で高所から逃げ遅れた人の救助に向かう東京消防庁の特救隊員ら=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で高所から逃げ遅れた人の救助に向かう東京消防庁の特救隊員とストレッチャーを準備する救急隊員=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で消防隊の活動方針などをまとめる蒲田消防署の指揮隊員=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で消防隊の活動方針などをまとめる蒲田消防署の指揮隊員=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で人形を使い高所から逃げ遅れた人の救助訓練を行う東京消防庁蒲田消防署空港分署の特救隊員=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で人形を使い高所から逃げ遅れた人の救助訓練を行う東京消防庁蒲田消防署空港分署の特救隊員=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で人形を使い高所から逃げ遅れた人の救助訓練を行う東京消防庁蒲田消防署空港分署の特救隊員ら=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で設けられた起震車を使い震度6強を体験できるコーナー=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で設けられた起震車を使い震度6強を体験できるコーナー=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練で設けられた煙が充満する室内を体験できるコーナー=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルで行われた防災訓練でAEDによる応急処置訓練を行う参加者=18年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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