空港 — 2017年7月19日 23:40 JST

成田空港、役員逮捕で再発防止委 夏目社長「スピード感持って議論」

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 成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)の元上席執行役員、栗田好幸容疑者が逮捕されたことを受け、NAAは7月19日、夏目誠社長を委員長とする「随意契約に係る不正行為再発防止委員会」の第1回委員会を開いた。9月末に中間取りまとめを公表する。

再発防止委員会の委員長を務めるNAAの夏目社長=16年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 栗田容疑者は、2008年から9年にわたり保安警備部門の責任者だったが、NAAの物品納入業務をめぐり、業者に便宜を図った見返りに賄賂を受け取った疑いで、警視庁に逮捕された。5日には、NAA本社など関係先が家宅捜索を受けた。

 NAAは国が100%出資する特殊法人で、前身となる新東京国際空港公団が解散し、2004年4月1日に設置された。社員は公務員に準ずる扱いを受け、成田国際空港会社法では、役員や社員が賄賂を受け取った場合、3年以下の懲役を科すなどとしている。

 夏目社長は、「役員から逮捕者が出たことについて、社長としての責任を痛感している」と陳謝。「委員会では、お二方の弁護士からご指導を頂戴し、制度を悪用する企図が働かないようにすること、悪用を未然に防げるようにすること、役員・社員の意識を改めていくことなどが肝要。本不祥事が会社にとって極めて重大な事態であることを認識し、再発防止に向けてスピード感を持って真摯に議論したい」と語った。

 第1回目の委員会では、委員を務める有田知徳弁護士と須藤修弁護士からは、少額随意契約制度やコンプライアンス全般について、社員の意識を確認すべきだ、との意見が出た。

 今後は9月までに委員会が数回開かれ、9月末に中間取りまとめを公表する予定。再発防止に向け、随意契約に関する制度や部室長の権限・権限者への牽制、人事、内部通報制度、コンプライアンス意識、倫理観などについて改善策を検討し、策定していく。

 最終の取りまとめ時期などについては、9月末に明確化するとしている。

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