官公庁 — 2025年10月21日 22:39 JST

国交相に金子元総務相 13年ぶり非公明=高市内閣

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 高市早苗首相は10月21日午後、組閣を行い、国土交通大臣に自民党の金子恭之(かねこ・やすし)元総務相(64、衆院熊本4区)を起用した。同ポストに公明党以外の議員が就任するのは、自公連立政権が与党に返り咲いた2012年12月以降では、約13年ぶりとなった。

金子恭之国交相(自民党のサイトから)

 金子氏は、中央省庁再編で国交省が2001年1月に発足して以来28代目の国交相。直近で自民党議員が就任したのは、2008年9月に就任した金子一義氏以来、約17年ぶり。

 国交相ポストは、2012年12月の政権復帰以降、太田昭宏氏(18-19代)、石井啓一氏(20-21代)、赤羽一嘉氏(22-23代)、斉藤鉄夫氏(24-26代)、中野洋昌氏(27代)と、一貫して公明党議員が就任。公明党の連立離脱により、国土・交通政策の運営体制の構図が見直される可能性が出てきた。

 自民党も、国務大臣としての国土・交通政策経験者が長らく途絶えたことから、ここ数年は国交相ポストの獲得を伺った時期もあったが、改造内閣の発足などで実現には至らなかった。

 国交省は、本省のほかに海上保安庁、気象庁、観光庁の三つの外局、航空機・鉄道事故の原因を究明する運輸安全委員会(JTSB)、地図・測量を担う国土地理院、航空大学校などの主要機関や独立行政法人を所管する。

 航空・交通分野でみると、これまで航大の女性枠拡大など、公明党が重視してきた「社会的公平性」などの観点から進められてきた政策が、自民党の視点により重点項目が変化する可能性が出てきた。

 航大の女性枠拡大は、性別を問わずに広く門戸を開くことは歓迎される一方で、パイロットとしての適性ではなく、性別で人物評価がなされるのではとの懸念が、現役パイロットなどから噴出しており、安全性の観点からも慎重な判断が求められている。

 また、羽田空港D滑走路(RWY05/22)では、長らく滑走路の中心を示す航空灯火の一部が消えたまま修理されず、離陸中断や離陸後に引き返すといったトラブルが相次いでいる。羽田ではこのほかにも、夏場に雑草で誘導路などの標識が見えないといった、さまざまな問題を指摘するパイロットの声があり、こうした空の安全に直結する問題に、金子氏がどのような指導力を発揮していくかも注目される。

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国土交通省

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