企業, 空港 — 2017年2月16日 12:10 JST

成田空港、ラウンジで次世代無線LAN「WiGig」検証 2時間動画10秒で転送

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 成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は2月16日、次世代高速無線LAN「WiGig(ワイギグ)」の実証実験をパナソニック システムネットワークやKADOKAWAと共同で開始した。24日まで。

2時間動画を10秒でダウンロードできるWiGigで接続したタブレット=17年2月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 WiGigは無線LANの国際規格「IEEE802.11ad」を基にした60GHz帯を用いる規格の一つ。通信距離は最大約10メートルと、2.4/5GHz帯を用いる既存の無線LANと比べて短いが、通信速度の理論値は最大7Gbpsと現在普及している中では最速クラスの「IEEE802.11ac Wave1」の最大1.3Gbpsよりも速い。パナソニックによると、容量が2GBある2時間の動画を10秒でダウンロードできるという。

 実証実験は、第1ターミナルの出国審査後エリア内にある直営ラウンジ「Narita TraveLounge(ナリタ トラベラウンジ)」で実施。WiGigを搭載したタブレットを10台用意し、ラウンジの利用者に無料で貸し出す。KADOKAWAが用意するアニメ4タイトルをはじめ、観光情報33タイトルや書籍34タイトルを配信する。

 コンテンツは、ラウンジ入口とラウンジ内に設置したデジタルサイネージ(電子看板)の前で、貸し出されたタブレットにダウンロードする。

 訪日外国人にも楽しんでもらえるよう、コンテンツを多言語で用意。ラウンジ利用には、大人1人1回1200円がかかる。体験イベントに参加した人には、イヤホンをプレゼントする。

 パナソニックは、2016年2月に第1回目となる実証実験を成田空港で実施しており、今回で2回目。前回はWiGigを搭載した端末の販売前だったため、USB接続の機器を接続して実験したが、今回はHP製のWiGig搭載タブレットを用意した。

 NAAでは効果を検証し、2018年度中に空港施設内へのWiGigとコンテンツ配信サービスの導入を目指す。

成田空港に設けられたWiGigの体験コーナー=17年2月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

2時間動画を10秒でダウンロードできるWiGigで接続したタブレット(左)と従来のWiFiで接続したタブレット。同じ動画をダウンロードする際の通信速度はWiFi接続が42Mbpsに対しWiGigは1120Mbpsと26.7倍のスピードが出ていた=17年2月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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