エアライン, 空港 — 2022年12月12日 19:21 JST

ZIPAIR、成田－サンノゼ就航　3万円台でシリコンバレーへ

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　日本航空（JAL/JL、9201）が100％出資する中長距離LCCのZIPAIR（ジップエア、TZP/ZG）は12月12日、成田－サンノゼ線を開設した。当初は週3往復で、2023年1月11日から週5往復に増便する。世界初のLCCによる太平洋横断路線となったロサンゼルス線に続く米本土2路線目で、旅行需要に加えて留学生の渡航や、アジアと北米間の親族訪問などの需要獲得も目指す。

成田空港で放水アーチをくぐり出発するZIPAIRのサンノゼ行き初便ZG30便＝22年12月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
・3万円台でシリコンバレー
・大規模空港にない良さ

3万円台でシリコンバレー

　開設当初は月曜と木曜、土曜の週3往復で、週5往復に増便後は水曜と日曜も運航する。就航時の運航スケジュールは、サンノゼ行きZG30便が成田を午後4時に出発し、午前8時着。成田行きZG29便は午前10時にサンノゼを出発して、翌日午後2時30分に到着する。

成田空港でZIPAIRのサンノゼ行き初便ZG30便搭乗前に記念撮影する乗客＝22年12月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港で開かれたサンノゼ線就航式典であいさつするZIPAIRの西田社長＝22年12月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　機材はボーイング787-8型機で、座席数は2クラス290席（ZIP Full-Flat 18席、Standard 272席）。通常の片道運賃は、フルフラットシートを採用したビジネスクラスにあたる「ZIP Full-Flat（ジップ・フルフラット）」が8万9500円から、エコノミークラス「Standard（スタンダード）」が3万2500円から、6歳以下のU6スタンダードは1万円で、燃油サーチャージは不要。運賃のほか、空港使用料や諸税が別途必要になる。

　ZIPAIRの西田真吾社長は、「自分の翼を探す旅を応援したい。空港で話を聞くと、ロサンゼルス線は米国やメキシコの独立リーグのトライアウトに挑戦する人などに乗っていただいた。サンノゼはシリコンバレーを拠点とする企業の集積地で、デジタル産業で世界を変えてきた人がいる。サンノゼを訪れて頂き、挑戦や変革の空気を感じていただければ」とあいさつした。

成田空港でサンノゼ行き初便ZG30便の乗客を見送るZIPAIRの西田社長＝22年12月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　初便となったサンノゼ行きZG30便（787-8、登録記号JA826J）は乗客87人（幼児1人含む）を乗せ、成田空港の21番スポットを午後3時57分に出発。空港の消防車による放水アーチの歓迎を受けて滑走路へ向かい、午後4時16分にA滑走路（RWY34L）から離陸した。乗客のうち17人は18席ある「ジップ・フルフラット」の乗客だった。

　西田社長によると、米国は日本より早くクリスマス休暇に入っている人がいるので、年末年始のサンノゼ発便は初便の折り返し便からほぼ満席の予約が入っているという。

　日本とサンノゼを結ぶ直行便は、現時点でZIPAIRのみ。運休中の全日本空輸（ANA/NH）の成田－サンノゼ線は羽田への移管対象路線になっているが、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響で開設時期が未定となっている。

大規模空港にない良さ

　西田社長はサンノゼ線の展望について、「昨年12月に就航したロサンゼルス線は、サンフランシスコやサンノゼあたりのベイエリアの方が、わざわざ南下して乗っていただいており、今日はその帰りという方も多かった。ベイエリアに住む日系やアジア系の方の需要がベースとしてあると実感を持っている」と、西海岸に住む人の日本やアジア各地への帰省需要が見込めるという。