日本航空(JAL/JL、9201)とマリオット・インターナショナルは7月14日、JALのマイル会員制度「JALマイレージバンク(JMB)」とマリオットの旅行会員制度「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)」の戦略的パートナーシップを締結したと発表した。Marriott Bonvoy会員には、会員ステイタスに応じて年間最大4万FLY ONポイントを付与し、JMBのサファイア以上にはMarriott Bonvoyの上級会員資格を付与する。FLY ONポイントは、通常はJALの搭乗実績に応じて付与されるポイントで、“虎の子”の活用で連携強化を図る。

JALマイレージバンクとMarriott Bonvoyの提携を発表するJALの西田真吾執行役員(中央左)とマリオット・インターナショナルのジョン・トゥーミー・アジア太平洋地区(中華圏除く) チーフ・コマーシャル・オフィサーら=26年7月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・虎の子「FLYON」で上級資格「ブースト」
・JMBサファイア以上にホテル上級資格
虎の子「FLYON」で上級資格「ブースト」
JALのマイレージ・ライフスタイル事業本部長を務める西田真吾執行役員は、今回のステイタスマッチを「ブースト型」と表現し、「かなりのスピードでステイタスの階段を駆け上がっていただける」と説明した。Life StatusポイントではなくFLY ONポイントを採用した理由については、「Life Statusプログラムは積み上がると、その後もずっと続く。FLY ONポイントは毎年更新するので、サステナブルかどうかという観点で、これでやってみたい」と述べた。

JALとマリオットのステイタスマッチ(両社の資料から)

JALマイレージバンクとMarriott Bonvoyの提携を発表するJALの西田真吾執行役員=26年7月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
搭乗実績がなくてもMarriott Bonvoy会員にFLY ONポイントを付与することについて、西田執行役員は、「我々の虎の子というか、プログラムの根幹であるFLY ONをマリオットとの提携で使うのは、かなり絞られた戦略的なパートナーシップだ」と強調。「これを使ってさらにもっと大きく、ということはあまり考えていない」と述べた。
FLY ONポイントは、JAL便などの搭乗実績に応じてたまり、毎年1月から12月までの獲得数を基に上級会員資格を判定する制度。一方、2024年1月に導入した「Life Status(LS)ポイント」は、搭乗に加え、クレジットカード「JALカード」やオンラインショッピングなど、JALの非航空系サービスの利用でも積算される。LSポイントは失効せず、生涯を通じて積み上がる。

JALマイレージバンクとMarriott Bonvoyの提携を説明するJALの伊集院兼史マイレージ事業部企画グループ担当部長(左)とマリオット・インターナショナルの益田玲子エンタープライズパートナーシップ アンド カード – 日本ディレクター=26年7月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Marriott Bonvoy会員は、JMBのアカウントと連携すると、会員ステイタスに応じて年間2000~4万FLY ONポイントを獲得できる。チタンエリートとアンバサダーエリートは、付与後のFLY ONポイント数に応じて、JALクリスタル会員以上のステイタスが自動的に付与される。
JALマイレージ事業部企画グループの伊集院兼史担当部長によると、一般的な条件では、東京-大阪間を1往復すると1240 FLY ONポイント、東京-ホノルル間では1往復で5000ポイントを獲得できる。1万ポイントは東京-大阪間の約8往復、東京-ホノルル間の約2往復に相当する。JALの上級会員資格は3万ポイントのクリスタルからで、ステイタスに応じてボーナスマイルや優先キャンセル待ち、前方座席指定、優先搭乗、ラウンジ利用などの特典を受けられる。
JMBサファイア以上にホテル上級資格
JMBのサファイア会員以上には、JAL側のステイタスに応じてMarriott Bonvoyのエリート会員資格が付与される。サファイアはシルバーエリートへ、JGCプレミア、ダイヤモンド、ダイヤモンドメタルはゴールドエリートへステイタスマッチされる。

JMB会員向け特典(両社の資料から)
FLY ONステイタスを持たないJMB会員は6カ月以内に6泊、クリスタル会員は同4泊でMarriott Bonvoyシルバーエリート資格を取得できる。サファイア会員はシルバーエリート資格へのステイタスマッチに加え、6カ月以内に10泊するとゴールドエリート資格を取得できる。JGCプレミアは6カ月以内に16泊すると1万Marriott Bonvoyポイント、ダイヤモンドとダイヤモンドメタルは同16泊で1万5000ポイントを獲得できる。ダイヤモンドは初年度のみ、6カ月以内に10泊するとプラチナエリート資格を取得でき、ダイヤモンドメタルも同10泊で取得できる。

Marriott Bonvoy会員向け特典(両社の資料から)
JMBの会員数は2025年実績で約4100万人。一方、Marriott Bonvoyは世界で約2億8300万人の会員を抱える。JALは国内居住者には強固な顧客基盤を持つものの、インバウンドや海外地区会員との関係構築を課題としており、今回の提携を通じて海外会員との接点を増やし、JAL便の利用につなげる。海外会員はJAL便の利用機会が限られるものの、あらかじめFLY ONポイントを付与することで、従来より少ない搭乗で上級資格を取得しやすくする。
上級会員の増加に伴うラウンジ混雑への懸念について、西田執行役員は、ラウンジは容易に拡張できず、航空会社にとって重要な資産だと説明した。顧客体験を損なわず、持続可能な状態で運用できているかを継続的に監視し、サービス品質を管理する考えを示した。
今回の提携は、マリオットにとって日本の航空会社との初の本格的な取り組みで、JALにとってもグローバルホテルグループとの初の戦略的パートナーシップとなる。Marriott Bonvoyは世界1万軒以上のホテルやリゾートが参加しており、ステイタスマッチなどでエリート資格を得た会員は、客室アップグレードやレイトチェックアウトなどの特典を利用できる。

JALマイレージバンクとMarriott Bonvoyの提携を発表するJALの西田真吾執行役員(左)とマリオット・インターナショナルのジョン・トゥーミー・アジア太平洋地区(中華圏除く) チーフ・コマーシャル・オフィサー=26年7月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALマイレージバンクとMarriott Bonvoyの提携を発表するJALの西田真吾執行役員(中央左)とマリオット・インターナショナルのジョン・トゥーミー・アジア太平洋地区(中華圏除く) チーフ・コマーシャル・オフィサーら=26年7月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALのマイレージ・ライフスタイル事業の将来戦略(同社資料から)

JALのマイレージ・ライフスタイル事業の注力ポイント(同社資料から)

マリオットのブランド展開(同社資料から)

マリオットの日本展開(同社資料から)
関連リンク
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