韓国現地取材の続き。大韓航空(KAL/KE)の運航の中枢を担う「OCC」は、ソウル・金浦空港近くの本社にある。OCCでは仁川空港を含め、1日400便以上ある大韓航空全便の運航を管理している。同社の親会社・韓進(ハンジン)グループはアシアナ航空(AAR/OZ)も傘下に収めており、大韓・アシアナの企業統合を進めている。2025年9月には、アシアナのOCC機能も同所への移転を済ませた。

金浦空港近くの本社にある大韓航空のOCC=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
航空業界では一般的に「OCC」というと「オペレーション・コントロール・センター」を意味するが、大韓航空は「オペレーション・カスタマー・センター(Operation Customer Center)」の頭文字から命名。安全面のほか、顧客サービスにも注力し運用し、240人のスタッフが24時間体制で運航を支える。
大韓航空のOCCは安全のほか、顧客サービスや業務効率を担う部門も併設する。安全部門は3部門で、運航を管理する「FCC(運航管理センター)」、整備を支援する「MCC(整備支援センター)」、機体のバランスなどを決定する「LCC(ロード・コントール・センター)」の各部門を運用する。
安全3部門のうち、運航を管理するFCCは、天候や航路、燃料、重量、飛行時間などの飛行計画や、パイロットへの安全情報を提供。また運航をモニタリングし、計画に沿ったものかを監視する。
整備を支援するMCCは、運航中の機体をモニタリングし、欠陥を監視。パイロットへの技術支援を提供する。また、整備スケジュールを調整し、海外支店に整備士を支援する。機体の重心位置を管理するLCCは、乗客の座席と貨物の位置を決める。
顧客サービスを担う「NOC(ネットワーク・オペレーション・センター)」は、顧客案内サービスやSNSのモニタリングに加え、航空機と乗務員のスケジュールも管理。降雪や台風などの問題に対し、事前対応の戦略も展開する。「CSC(カスタマー・サービス・センター)」は、イレギュラー時の予約管理などへ対応する。
このうち、運航にはFCCとMCC、LCC、NOCの4つのサブセンターが大きく関わる。OCCの中央には、運航に異常が発生した場合に各サブセンターのマネジャーが話し合う「意思決定区域」を設け、迅速な情報共有により異常運航へ即時対応する。
大韓・アシアナの両社は、12月をめどに企業統合する見通し。現在、営業面では競合関係にある「他社」だが、安全面などはすでに統合が進んでいる。運航の中枢を足がかりに、統合を加速させていく。

金浦空港近くの本社にある大韓航空のOCC入り口=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

金浦空港近くの本社にある大韓航空のOCC=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

金浦空港近くの本社にある大韓航空のOCC=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

金浦空港近くの本社にある大韓航空のOCC=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

アシアナ航空も入居を済ませた大韓航空のOCCに掲げる「より安全な空へ同行を開始」と書かれたバナー=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
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