エアライン — 2025年8月10日 13:56 JST

エミレーツ航空、モバイルバッテリー使用禁止 10月から全便

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 エミレーツ航空(UAE/EK)は、10月1日から全便の機内でモバイルバッテリーの使用を禁止する。条件を満たせば1個まで持ち込めるが、機内で電子機器を充電したり、機内の電源コンセントでモバイルバッテリー自体を充電することはできなくなる。

機内でのモバイルバッテリーの使用を禁止するエミレーツ航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 モバイルバッテリーは、スマートフォンやタブレット、ノートパソコン、カメラなどに電力を供給する充電式の携帯型機器を指す。新たな規則では、100ワット未満のモバイルバッテリーを1個まで持ち込み可能とし、容量表示がある製品に限って輸送を認める。

 収納場所は座席ポケットか前方座席下のバッグに限られ、頭上の手荷物棚(オーバーヘッドビン)には置けない。受託手荷物への収納禁止は、従来通り維持する。

 同社によると、今回の措置は安全性の包括的な見直しで実施するもの。近年はモバイルバッテリーの利用が増え、粗悪品を使用していたことで航空機火災に発展した事例もある。

 海外では「パワーバンク」と呼ばれることが多いモバイルバッテリーは、主にリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池を搭載し、過充電や損傷により熱暴走を起こす恐れがある。熱暴走は発熱が放熱能力を上回り、急激で制御不能な温度上昇を招く現象で、火災や爆発、有毒ガスの発生につながりかねない。多くのスマートフォンや、高度なリチウム電池搭載機器には、過充電を防ぐ機能が備わっているが、単純な構造のものには搭載されていない場合が多い。

 新規則はすべてのモバイルバッテリーが対象。手の届く位置に保管することで、万一火災が発生した場合にも、客室乗務員が迅速に対応できるようにする。

 日本の航空会社は、国土交通省航空局(JCAB)の要請で、7月8日から機内への持ち込み方法を変更。オーバーヘッドビンには収納せず、手元で状態を確認できるよう乗客に求めている。

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