エアライン, 解説・コラム — 2026年10月2日 19:45 JST

JAL、ANAの株価逆転 SFC改定発表から4カ月半

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)が9月29日に発表した上級会員向けカード「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の再設計は、今週のANAをめぐる大きなニュースの一つとなった。一方、株式市場では日本航空(JAL/JL、9201)の株価がANAHDを上回ってから、まもなく1カ月となる。JALは9月4日の終値でANAHDを上回り、10月2日までの18営業日、一度もANAHDに再逆転されていない。SFC改定案発表前日の4月22日時点ではANAHDが304円高かったが、約4カ月半後の9月4日にJALが逆転した形だ。

JALがANAの株価を逆転=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
・縮まるANAのリード
・JALは9/4逆転
・見直し後もスタアラ格下げ
・時価総額はANA

縮まるANAのリード

 SFC改定案発表前日の4月22日は、ANAHDの終値が2822円、JALが2518円で、ANAHDが304円高かった。10月2日はANAHDが2943円、JALが2989円で、JALが46円上回った。この間、ANAHDは121円高(4.3%上昇)だったのに対し、JALは471円高(18.7%上昇)と、大幅に上昇した。

ANAホールディングスとJALの26年4月22日から10月2日までの値動き(Aviation Wire作成)

 最初のSFC改定案が発表された4月23日は、ANAHDが前日比108円安(3.8%下落)の2714円、JALも56円安(2.2%下落)の2462円で、両社の差は252円となった。両社が2026年3月期通期決算を発表した4月30日は、ANAHDが27円50銭安(1.0%下落)の2601円50銭、JALが11円50銭安(0.5%下落)の2454円で、差は147円50銭まで縮まった。

 ANAHDの株主総会前日6月25日に、4月に示したSFC改定案を見直すと発表。同日の終値はANAHDが40円高(1.4%上昇)の2992円、JALが41円50銭高(1.5%上昇)の2816円だった。翌26日の株主総会当日は、ANAHDが8円高(0.3%上昇)の3000円、JALが30円高(1.1%上昇)の2846円となった。

 4月22日と比べると、6月26日時点でANAHDは178円高(6.3%上昇)、JALは328円高(13.0%上昇)だった。ANAHDがなお154円上回っていたものの、上昇率ではJALが大きく上回っていたことになる。

JALは9/4逆転

 ANAHDも、一方的に株価を下げていたわけではない。第1四半期決算を発表した7月29日は81円高(2.6%上昇)の3221円となり、今回比較した期間の高値を付けた。JALも同日は59円50銭高(2.0%上昇)の3048円で、4月22日からの上昇率はANAHDが14.1%、JALが21.0%だった。

JALとANAホールディングスの26年9月1日から10月2日までの値動き(Aviation Wire作成)

 JALの株価は、9月4日にANAHDを上回った。JALは前日比46円高(1.6%上昇)の3003円、ANAHDは22円50銭高(0.8%上昇)の2999円50銭で、JALが3円50銭上回った。4月22日からの上昇率は、JALが19.3%だったのに対し、ANAHDは6.3%だった。

 逆転後もJALが上回る状態は続き、9月28日にはANAHDが20円安(0.7%下落)の3025円、JALが19円高(0.6%上昇)の3115円となり、逆転後では最大の90円差となった。JALの3115円は今回比較した期間の高値となった。

見直し後もスタアラ格下げ

 翌29日にANAはSFCの再設計を発表した。ANAHDは75円安(2.5%下落)の2950円、JALも103円安(3.3%下落)の3012円だった。この日は、ANAHDの9月末株主優待の権利付き最終日の翌営業日に当たる「権利落ち日」でもある。

成田空港第1ターミナル保安検査場のスターアライアンス・ゴールド向けGOLD TRACK=26年10月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 SFCの新制度は2028年4月1日に始める。100万ANAライフタイムマイル(LTマイル)達成者を除き、ANAカードとANA Payの年間決済額300万円以上を「SFC PLUS」、300万円未満を「SFC LITE」とする基本設計を維持する一方、LITEも混雑時を除き国内線ANAラウンジを利用できるようにする。一方、LITEのスターアライアンスのステータスは「ゴールド」から「シルバー」への格下げを維持する。

 スターアライアンスのゴールドは、ステータスとラウンジ利用を一体で運用していることから、ラウンジ利用に制限のあるLITEではゴールドを維持できないと、ANAは説明している。LITEでも、ANAグループ運航便に搭乗する場合は、羽田、成田、ホノルルのANA運営国際線ラウンジを利用できる。一方、スターアライアンス加盟航空会社便を利用する場合はシルバーが適用され、ラウンジや優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取りなどは原則対象外だ。

時価総額はANA

 10月2日の終値は、JALが前日比33円安(1.1%下落)の2989円、ANAHDが28円安(0.9%下落)の2943円で、JALが46円高かった。9月4日の逆転時と比べると、JALは14円安(0.5%下落)、ANAHDは56円50銭安(1.9%下落)となり、両社とも株価は下げたものの、JALが上回る状態が続いている。

 一方、時価総額に目を移すと株価とは状況が異なる。各社が公表している普通株式の発行済株式数と10月2日の終値を基に単純計算すると、時価総額はANAHDが約1兆4253億円、JALが約1兆3066億円となる。株価ではJALが上回っているものの、時価総額ではANAHDがなお約1187億円上回っており、今後の動向が注目される。

【お知らせ】
ビジネス映像メディア「PIVOT」に、当紙(Aviation Wire)編集長の私(吉川)が出演し、SFCの制度見直しや株価の推移などを解説します。本日10月2日に収録し、4日(日)に配信予定です。ぜひご覧ください。

関連リンク
ANAスーパーフライヤーズカードのサービスについて
全日本空輸

9/29発表
・ANA SFC、スタアラゴールドはなぜ外れるのか 特集・「持つカード」の生きる道(26年10月2日)

SFC改定
・ANA SFC見直し、LITEもラウンジ一部利用可 300万円基準維持(26年9月29日)
・ANA、SFC退会者の特例再入会 27年3月末まで(26年9月29日)
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・ANA、上級会員「SFC」ラウンジ利用不可も 年300万円で区分(26年4月23日)

特集・ANA新制度 顧客との温度差
(1)プレミアムクラスが「ファーストクラス」表記に
(2)家族連れ注意!国内線最安運賃は座席指定24時間前から
(3)SFC改定「300万円の壁」だけでない反発理由

PIVOT
・ANA SFC改定・国内線サービス問題・JAL株総を当紙編集長が解説
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・当紙編集長が大手2社の現状やパリ航空ショー解説

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