エアライン, 解説・コラム — 2018年11月9日 13:40 JST

ANA、CAおもてなしコンテスト 平子社長「遠からず近からずの距離感で」

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 全日本空輸(ANA/NH)は11月8日、日ごろの接遇スキルを客室乗務員が競う「第6回 OMOTENASHIの達人コンテスト」を開催した。4人1組で出場するチーム部門と個人部門が開かれ、チーム部門は10チームによる予選を勝ち抜いた2チームが、個人部門は約8000人の客室乗務員の中から投票で選ばれた上位8人が出場した。

 チーム部門は、乗務第7課所属の伊藤亜矢子さん(96年度入社)、濱野美智子さん(05年度入社)、鈴木伶佳さん(13年度入社)、柴田響子さん(15年度入社)による「ANA DREAM HEART」がグランプリに輝いた。

 個人部門は入社5年未満(15年度以降入社)の「フレッシャーズ(ジュニア)」と、入社5年目以上(14年度以前入社)の「エキスパーティーズ(シニア)」を4人ずつ審査。フレッシャーズは大西桃以さん(16年度入社)、エキスパーティーズは大濱佳子さん(87年度入社)が栄冠を手にした。

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストでグランプリに輝いた(左から)個人部門フレッシャーズの大西さん、チーム部門「ANA DREAM HEART」の柴田さん、鈴木さん、伊藤さん、濱野さん、エキスパーティーズの大濱さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
チーム部門
個人部門

チーム部門

 チーム部門のコンテストは、東京・大田区にあるANA訓練センターの客室モックアップで実施。ビジネスクラスのシート(2-3-2席配列)のシートやギャレー(厨房設備)が設けられ、ANAの役員と外部からの招待者による乗客役26人が審査した。会場内には多くの応援団が詰めかけ、出場者が入場した時から声援が飛び交った。

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で機内食を乗客役に提供する「ANA DREAM HEART」の伊藤さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で接客を受ける平子社長=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 コンテストの開会式で、ANAの平子裕志社長は「おもてなしは英訳を考えるとホスピタリティーだが、お客様にいい時間を過ごしていただくという意味もある。(客室乗務員が)お客様に遠からず、近からずの距離感で、ストレスのない時間を過ごしていただくということではないか」と、おもてなしの意義に触れた。

 競技内容は、羽田発ニューヨーク行きNH110便のビジネスクラスで、コースメニューやドリンクを提供する場面を想定。接客スキルやチーム力、会話力、会社が目指すブランドイメージなどを審査した。また乗客役の一部は外国人客を想定し、すべての受け答えを英語で応対した。

 伊藤さんらANA DREAM HEARTチームは2本ある通路のうち、進行方向左側を担当。伊藤さんと鈴木さん、井上さんが主に客室をまわり、濱野さんがギャレーで機内食を調理した。

 チーム部門の出場者は、2チームとも普段から一緒に乗務している。ギャレー内でお互いの役割分担や進行状況を確認しながら、手際よく機内食を提供していった。

 ANA DREAM HEARTチームのメンバーは、メッセージカードなど手作りのお土産もプレゼントしていた。

 コンテストを終え、表彰式であいさつした伊藤さんは、「相手を思い、言葉をかけて笑顔で接するのがおもてなし。これからもANAに乗るために旅行に行こう、と思ってくださるお客様が増えるようにがんばります」と、グランプリを喜んだ。

 鈴木さんは、「まさか受賞できるとはと驚きました。自分が成長する過程と捉えて、今後も精進していきます」と、決意を新たにした。柴田さんは、「いろいろなお客様が利用される中で、ひとり一人がくつろげる空間を提供していきたいです」と抱負を話した。

 濱野さんは、「飛行機は一人では飛ばすことができないので、チームワークが良くないとお客様に伝わってしまいます。チームワークを大切にして、日本を訪れる方の架け橋になりたいです」と、訪日外国人など乗客が多様化する中で、サービス向上への思いを語った。

個人部門

 個人部門は、フレッシャーズ層の4人を審査後、エキスパーティーズ層の4人の審査が行われた。競技時間はフレッシャーズが1人5分間、エキスパーティーズは同7分間だった。

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストの個人部門で乗客役と会話する大西さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 フレッシャーズでグランプリに輝いた大西さんは、「フライトを通して先輩から技術を継承して学んでおり、お客様にも技術を生かしたサービスができるよう、がんばります」とあいさつ。大西さんは、羽田発フランクフルト行きNH223便のビジネスクラスで、搭乗中の接客スキルが審査された。

 社員旅行でパスポートを忘れて取りに帰り、後続便に乗ったという乗客役2人が名古屋にゆかりがあるとわかると、客室乗務員になる前に繁華街・栄で似顔絵を描いていたことを明かしたり、「一番」と大きく書かれたシャツを着た外国人客役に、「一番はNo.1の意味なんですよ」と教えるなど、会話を盛り上げていた。

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストの個人部門で乗客役と会話する大濱さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 エキスパーティーズの大濱さんは、羽田発ロンドン行きNH211便のビジネスクラスに乗客が搭乗中の状況を想定した審査に挑んだ。関西弁でまくしたてる乗客役や、赤ちゃん連れの夫婦などを応対し、授乳用ミルクの相談に乗っていた。表彰式で大濱さんは、「国際線が就航した時に乗務を始めました。多くのお客様に選んでいただき、たくさんの仲間と笑顔でフライトしていきたいです」と笑顔を弾ませた。

 決勝戦に進出した16人には、おもてなしのプロであることを示す「THE MASTER OMOTENASHI PROFESSIONAL」と刻まれた特製バッジなどが贈られた。バッジはチーム部門とエキスパティーズの出場者にはブルーの、フレッシャーズの出場者にはピンクのものが贈呈された。また、グランプリ獲得者の名前を刻印し、客室センターに飾られる盾が渡された。

 16人には今後、PR活動やチャーター便への優先アサインなど、会社を代表する仕事の機会が用意される。

*写真は28枚。
*決勝出場者名は写真下に記載。
*チーム部門の写真特集はこちら
*個人部門の写真特集はこちら

ANA訓練センターの客室モックアップで開かれた第6回OMOTENASHIの達人コンテスト=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストに出場する「ANA DREAM HEART」のメンバー=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストに出場する「La Mahana」のメンバー=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストに出場する「ANA DREAM HEART」のメンバーを応援する応援団=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で機内食を準備する「ANA DREAM HEART」のメンバー=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門でワインを乗客役に提供する「ANA DREAM HEART」の伊藤さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で接客する「La Mahana」の古川さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で接客する「ANA DREAM HEART」の柴田さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で接客する「ANA DREAM HEART」の柴田さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で「ANA DREAM HEART」のメンバーが乗客役に手渡したメッセージカード=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で「ANA DREAM HEART」の接客を採点する教官(左)=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門で機内食を準備する「ANA DREAM HEART」の濱野さん(右)と伊藤さん(中央)=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストのチーム部門でワインを乗客役に提供する「ANA DREAM HEART」の鈴木さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストでチーム部門グランプリに選ばれて喜ぶ「ANA DREAM HEART」のメンバー=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストでチーム部門グランプリに選ばれてあいさつする「ANA DREAM HEART」の伊藤さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストで個人部門フレッシャーズのグランプリに選ばれ驚く大西さん(右)=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストで個人部門フレッシャーズのグランプリに選ばれてあいさつする大西さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストで個人部門エキスパーティーズのグランプリに選ばれた大濱さん(左から2人目)=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストで個人部門エキスパーティーズのグランプリに選ばれてあいさつする大濱さん=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストでグランプリに輝いた(前列左から)個人部門フレッシャーズの大西さん、チーム部門「ANA DREAM HEART」の柴田さん、鈴木さん、伊藤さん、濱野さん、エキスパーティーズの大濱さんと決勝出場者=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストでチーム部門とエキスパティーズの出場者に贈られたブルーのバッジ=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストでフレッシャーズの出場者に贈られたピンクのバッジ=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANA第6回OMOTENASHIの達人コンテストの出場者と応援団、審査員ら=18年11月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

チーム部門(敬称略、括弧内は入社年度)
ANA DREAM HEART(乗務第7課)
伊藤 亜矢子(96年度)
濱野 美智子(05年度)
鈴木 伶佳(13年度)
柴田 響子(15年度)

La Mahana(乗務第3課)
小澤 彩佳(11年度)
吉村 美希(12年度)
加藤 みお(13年度)
古川 実季(14年度)

個人部門 フレッシャーズ(敬称略、括弧内は入社年度、出場順)
大西 桃以(16年度)
金井 春奈(15年度)
家弓 真樹(15年度)
川畑 成美(16年度)

個人部門 エキスパティーズ(敬称略、括弧内は入社年度、出場順)
大濱 佳子(87年度)
フアヴァシュ・ピントー・ディルシオ(05年度)
堀毛 麻衣(10年度)
河合 淳子(83年度)

関連リンク
全日本空輸

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