エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体, 解説・コラム — 2026年10月10日 12:35 JST

フライドバイ副操縦士、自爆攻撃計画 機長をおので襲撃=UAE検察

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 アラブ首長国連邦(UAE)のハマド・サイフ・アル・シャムシ検事総長は、ドバイを拠点とするLCCフライドバイ(FDB/FZ)のドバイ発テルアビブ行きFZ1073便(ボーイング737 MAX 8、登録記号A6-FKF)で現地時間9月30日に起きた事件について、副操縦士が機体を乗っ取ってイスラエルのベングリオン空港の旅客ターミナルへ突入させる自爆攻撃を計画していたとする捜査結果を公表した。副操縦士は機長を非常用おので襲撃したとされるが、他の乗員らに制止され、同機はサウジアラビアのタブーク空港に着陸した。UAE国営通信WAMが10月9日(日本時間10日)に伝えた。

フライドバイの737 MAX(イメージ、ボーイング提供)

—記事の概要—
・非常用おので機長襲撃
・自爆攻撃計画の背景捜査

非常用おので機長襲撃

 検察当局によると、襲撃したのは29歳のオマーン国籍の副操縦士。機体の操縦を奪い、ベングリオン空港の旅客ターミナルに突入させ、多数の死者を出す計画だったという。事件当日は操縦室内で機長を不意に襲い、非常用おので攻撃した。機長は抵抗し、助けを求めようとしたとされる。

 機内には復路便を担当する予定のパイロットも同乗しており、操縦室のドアが不自然に繰り返し開閉する様子から異常に気付いたという。操縦室のアクセスコードを使って入室を試み、機長が襲われている場面を目撃。客室乗務員1人と複数の乗客の協力を得て、負傷した機長を救出し、副操縦士を取り押さえたと検察当局は説明している。

 その間、復路便を担当する予定だった機長と副操縦士が機体の操縦を引き継ぎ、目的地をテルアビブからサウジアラビアのタブーク空港へ変更して安全に着陸した。事件が起きた機体は737 MAX 8。フライドバイによると、同便には乗客と乗員合わせて172人が搭乗しており、全員の安全を確認した。襲撃された機長も医療機関から帰国の許可を受け、UAEに戻ったという。

 フライドバイは事件後、乗客らの輸送のためタブーク空港へ救援機2機を派遣した。このうち当該機とは別の737 MAX 8(登録記号A6-FKR)は、タブークからテルアビブへ向かう救援便に使用された。また、関係当局と協調し、捜査が続く間はイスラエル発着便を一時停止すると発表した。ガイス・アル・ガイスCEO(最高経営責任者)は、当局の要請でテルアビブへの運航を一時停止したと説明している。

自爆攻撃計画の背景捜査

 検察当局によると、副操縦士は弁護士の立ち会いのもと、動機や計画、事件当日の行動について供述した。他者を関与させず単独で行動したと説明しているが、当局は供述の裏付けを進めており、共犯者や関係者の有無について捜査を続けている。

 副操縦士は事件以前にテルアビブ行きの便を2回利用し、飛行経路や空港の状況を把握していたと検察当局は説明。9月30日の事件当日は3回目のテルアビブ行きだったという。航空会社での勤務歴は、2020年から2024年までがオマーン航空、2025年初めから数カ月間がロイヤル・エア・モロッコで、今年1月にフライドバイへ入社した。

 検察当局は、フライドバイの採用手続きも調査した。副操縦士は操縦士免許を保有し、素行証明書の提出や必要な審査など、職業上・保安上の条件を満たしていたという。採用審査では、過激思想への傾倒や攻撃計画を示す兆候は確認されなかったとしている。

 動機について検察当局は、副操縦士が2017年にオーストラリアへ留学していたころから過激思想の影響を受け、2001年9月11日の米同時多発テロにも触発され、航空機を使った攻撃を考えるようになったと説明した。航空業界への就職を目指したことにも、こうした考えが関係していたと供述したという。

 機長の負傷について、法医学的な調査では傷が頭部に集中し、非常用おのと特徴が一致する器具によって生じたと判断された。負傷の時期も事件の発生時期と整合し、検察当局は容疑者や機長の供述、目撃証言と一致していると説明している。

 UAE検察当局は、録音・記録類や技術報告書などの確認を進めるとともに、共犯者などの関与について引き続き捜査し、新たな結果が判明した場合は公表するとしている。

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