ホンダジェット、SAF100％で試験飛行　性能は既存燃料と同等

　本田技研工業（7267）の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー（HACI）は、小型ビジネスジェット機「HondaJet（ホンダジェット）」が代替航空燃料「SAF（Sustainable Aviation Fuel：持続可能な航空燃料）」を100％使用した試験飛行に成功したと現地時間10月13日に発表した。同社によると、ホンダジェットが分類される超軽量の「ベリーライトジェット機」のうち、エンジンを2基搭載する「ツインエンジンジェット機」としてすべてSAFを使用し、試験飛行に初めて成功したという。

ホンダジェットに給油するSAF（ホンダ提供）

　今回の試験飛行では、既存のジェット燃料と、SAFを100％使用した場合の影響を比較し評価。動植物由来の油を水素化処理して合成し、最も普及しているSAF「HEFA-SPK」と、水素化脱酸素処理を施した合成燃料「HDO-SAK」を混合した、100％のSAFを採用した。飛行試験はHACIの本社がある米ノースカロライナ州グリーンズボロ周辺で展開し、通常のジェット燃料と同等の飛行性能が確認できたという。

　SAFの利用は米ASTM（米国材料試験協会）による認可制で、既存のジェット燃料とSAFを混合できる含有率の上限が定められている。現在の上限は50％だが、今回の試験では、SAFを100％使用できる可能性を確認でき、今後のSAFの進化・普及に向け前進した。

　ホンダジェットは、最大50％のSAF混合燃料による運航実績がある。また、ホンダジェットに搭載するエンジンHF120を製造するGEホンダ エアロ エンジンズは、同エンジンでの100％ SAFによる地上試験を2022年と2023年に完了している。

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