空港 — 2025年3月18日 16:28 JST

関空1タミ、新入国審査場北側も運用開始　南北つながり混雑緩和

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　1994年の開港以来、初の大規模改修が終盤に入った関西空港で、第1ターミナル（T1）北側の新たな入国審査場の運用が3月18日から始まった。従来は南北に分かれていたが、中央に集約されたことで、混雑に応じて国際線の到着客を南北の審査場へ誘導できるようになった。

関空第1ターミナル北側の新入国審査場＝25年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　これまでの入国審査場は1タミの2階にあり、南北の審査場を行き来することができず、片方の検査場が混雑した際に到着客を誘導して混雑を緩和することができなかった。新入国審査場は3階にあった免税店跡地に整備し、南北で行き来できるようにすることで、各38レーンずつの入国審査レーンを増やさずに混雑を緩和できるようにした。

　移設に伴い、海上空港の特徴を生かした開放感あるガラス張りの施設となり、従来の片側1640平方メートルから同2071平方メートルへ広げることで、ゆとりを持たせた。3階で入国審査を終えた後は、1階のバゲージクレーム（手荷物受け取り）へ直行できる。

　新入国審査場は南側が2月26日から、北側は3月18日から運用を開始。入国時にパスポート情報や顔写真、外国人の場合は指紋といった入管と税関の手続きに必要な情報を同時に登録できる「共同キオスク」の運用も万博開幕までに始める。

関空第1ターミナル北側の新入国審査場に設置された共同キオスク＝25年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

顔認証用の顔写真を撮影する関空1ターミナル北側の新入国審査場に設置された共同キオスク＝25年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空第1ターミナル北側の新入国審査場通過後の到着免税店＝25年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　関空は1994年9月4日開港。1タミは開港時から使用しており、訪日客の増加や4月に開幕する大阪・関西万博に合わせ、リノベーション（改修工事）を2021年5月から始めた。4段階に分けて工事を進め、3月27日のグランドオープンはフェーズ3（第3段階）となる。その後は、2026年夏の新国際線出発エリアの商業施設増設で、最後の工事となるフェーズ4が終わり、開港以来の大改修が完了する。

　1タミの国際線の年間想定旅客数は、開港当初のキャパシティが1200万人、コロナ前2018年度の実績が2060万人で、リノベーション後は3000万人に対応。LCC専用の第2ターミナル（T2）と合わせ、年間4000万人が利用できるようになる。