伊丹空港で長距離国内線の運航を制限してきた、いわゆる「1000キロルール」が撤廃され、10月25日に始まった冬ダイヤでは、航空各社が伊丹発着路線を再編した。全日本空輸(ANA/NH)は東海道新幹線との競争が激しい羽田線を減便する一方、札幌(新千歳)や函館など北海道方面を増便。日本航空(JAL/JL、9201)は、グループで沖縄が拠点の日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が19年ぶりに伊丹へ再就航し、那覇線を開設した。

伊丹空港を行き交うANAのA321ceo(手前)とJALの787-8=26年10月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
1000キロルールは、1994年の関西空港開港に先立ち、当時の運輸省航空局が1993年11月に示した伊丹と関空の機能分担に関する方針に基づくもの。おおむね1000キロ以上の長距離路線を基本的に関空発着とするもので、今回の撤廃により伊丹発着の長距離路線を拡充できるようになった。伊丹の運用時間は引き続き午前7時から午後9時までとなっている。
—記事の概要—
・ANA:羽田減便で北海道・那覇増便
・大分:ANA半減・IBEX再開で4往復維持
・JTA:19年ぶり伊丹再就航
・JAL:九州減便で北海道・那覇増便
ANA:羽田減便で北海道・那覇増便
ANAは、伊丹-札幌(新千歳)線を1日5往復から7往復、函館線を1往復から2往復、那覇線を4往復から6往復に増便した。

冬ダイヤ移行で路線の付け替えが目立った伊丹空港の到着案内=26年10月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
一方、羽田線を1日15往復から14往復に減便。福岡線は5往復から4往復、松山線は8往復から7往復に減らした。
札幌線の7往復と那覇線の6往復は2027年3月11日までで、翌12日から冬ダイヤ最終日の27日までは札幌線を6往復、那覇線を5往復運航する計画。また、ANAは伊丹-石垣、宮古の2路線を12月18日から2027年1月4日までと、同年3月12日から27日まで期間運航する計画で、各1日1往復設定する。
大分:ANA半減・IBEX再開で4往復維持
伊丹-大分線は、ANAが1日4往復から2往復に減便する一方で、ANAとコードシェア(共同運航)するアイベックスエアラインズ(IBEX、IBX/FW)が、運休していた同線を約1年ぶりに2往復で再開。両社の実際の運航便数は、通常期で従来と同じ4往復を維持する。12月24日から2027年1月4日まではANAが3往復となり、IBEXの2往復と合わせて5往復を計画している。

伊丹-福岡線を運休し大分線の運航を始めたIBEX=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
一方、IBEXは1日2往復運航していた伊丹-福岡線を運休。大分線はANAとコードシェアし、IBEXの運航便をANAの便名でも販売する。
以前からコードシェアを実施しているANAとIBEXは、ANAの自社運航便をIBEX運航便に置き換えた例もある。2025年10月には中部-松山線で、ANAが1日3往復の自社運航を取りやめ、IBEXが同じ3往復を運航。IBEX便にANAの「NH」便名を付与することで、ANA便として利用できる便数を維持した。
両社は今年7月に、2029年度をめどに運航業務の管理の受委託事業を始めることで合意。ANAが路線便数の計画と販売を担い、IBEXが運航する仕組みで、従来のコードシェアを発展させる。
JTA:19年ぶり伊丹再就航
JALグループで沖縄を拠点とする日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)は10月25日、伊丹-那覇線を1日2往復で開設。JTAの伊丹乗り入れは2007年以来19年ぶりで、那覇との定期便は初めてとなった。

19年ぶりに伊丹空港へ乗り入れるJTAの那覇発NU264便初便=26年10月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
JALグループの伊丹-那覇線は、夏ダイヤが終了した24日まではJAL本体が1日2往復運航。冬ダイヤではグループ全体で1日4-6往復を運航する計画で、このうち2往復をJTAが担う。
一方、JTAは関西-那覇線を1日3往復から1往復に減便。関西2空港を合わせたJTAの運航便数は、従来と同じ3往復となった。
JAL:九州減便で北海道・那覇増便
JALは、伊丹-札幌(新千歳)線を1日5往復から6-9往復、那覇線を2往復から4-6往復に増便した。いずれも季節運航便を含む便数で、札幌線の増便は2027年1月31日までを予定している。

伊丹-帯広線を12月に新設するジェイエア=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
一方、伊丹-福岡線を1日4往復から2往復、大分線を3往復から2往復、熊本線を4往復から2往復に減便した。いずれもグループで伊丹を拠点とするジェイエア(JAR/XM)が運航している。
北海道方面は、夏季のみ季節運航していた旭川線を10月25日から通年化。12月1日には帯広線を1日1往復で新設し、2027年2月1日には女満別線の通年化を計画している。
また、伊丹-福岡線全体では、JAL、ANA、IBEXの実運航便数を合計すると、従来の1日11往復から6往復に半数近く減少。福岡線は山陽新幹線との競合路線で、東海道新幹線と競う羽田線と同様、空の便が優位性を発揮しやすい路線へのシフトが目立つ結果となった。
関連リンク
大阪国際空港(伊丹)
全日本空輸
日本航空
日本トランスオーシャン航空
伊丹空港
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大手2社がダイヤ調整
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