IATA(国際航空運送協会)は現地時間10月28日、2026年の世界旅客調査(GPS)の結果を発表した。過去12カ月間に空港で生体認証を経験した回答者は58%で、前年の50%から8ポイント上昇した。一方、入国要件を理由に特定の旅行先への訪問を思いとどまった回答者は43%となり、前年の33%から10ポイント上昇した。

関空第1ターミナル北側の新入国審査場=25年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・入国要件:複雑な手続き障壁に
・生体認証:利用者の87%満足
・デジタルパスポートやAI関心
入国要件:複雑な手続き障壁に
調査は200カ国以上から寄せられた1万件以上の回答を基にまとめた。旅行計画に人工知能(AI)を利用した経験がある人は49%で、オンラインチェックインでのデジタルパスポート利用に関心がある人は84%だった。
入国要件を理由に旅行先への訪問を思いとどまった回答者では、手続きの複雑さを理由に挙げた人が53%と最も多く、プライバシーへの懸念と費用がそれぞれ17%だった。訪問を思いとどまった経験を示すもので、実際に入国を拒否された割合ではない。
入国手続きのデジタル化を望む人も多く、手続きの迅速化につながるなら、出発前に入国審査に必要な情報をデジタル形式で提供する可能性が高いと答えた人は86%で、前年から3ポイント上昇。空港到着前に入国手続きを済ませたい人は45%で、同4ポイント上昇した。
ビザの申請方法では、オンラインを希望する人が60%、大使館や領事館での対面申請を希望する人が25%だった。IATAによると、電子ビザを発行する国は100カ国を超えるものの、航空会社が有効性を確認する方法は国によって統一されていない。
生体認証:利用者の87%満足
生体認証を経験した回答者のうち、87%が利用体験に満足したと回答した。空港のチェックポイントでパスポートや搭乗券の提示を省けるなら、生体情報を提供してもよいと答えた人は78%。このうち75%は、事前に一度登録することで、空港内の各手続きで自動的に本人確認できる方式を希望した。
一方、生体認証に関する懸念では、個人データの漏えいが59%、他の組織との情報共有が49%、個人情報の取り扱いが不明確なことが41%となった。
デジタルパスポートやAI関心
デジタルパスポートについては、航空券の予約時に支払いを済ませた後、ビザ要件の案内など個人に合わせたサービスを受けられるなら、航空会社と情報を共有したいと答えた人が82%だった。デジタルウォレットやデジタルパスポート、会員カードをスマートフォンにまとめ、航空券の予約・支払いから空港手続きまで利用することに関心がある人も82%だった。
旅行計画でのAI利用は、特定の目的地への航空便検索が21%、最も安い航空便の検索が19%、旅行先の検討が17%だった。いずれも回答者全体に占める割合で、用途別の数値を単純に合算してAI利用率とすることはできない。
地域別では、アジア太平洋の生体認証利用経験が61%、AIを旅行計画に利用した経験が57%で、いずれも世界全体の58%、49%を上回った。入国要件による訪問断念も49%で、世界全体の43%を上回った。中東ではAI利用経験が72%と6地域で最も高く、北米の生体認証利用経験は63%で最も高かった。
IATAのニック・カリーン運航・安全・保安担当上級副社長は、複雑な入国・ビザ手続きが旅行の障害になっていると指摘。各国政府に対し、入国要件の簡素化や重複する確認手続きの削減、安全なデジタル渡航証明書の発行・受け入れを進めるよう求めた。
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IATA
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