ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)と国内のAIスタートアップ企業BlueWX(ブルーウェックス)、エムティーアイ(9438)の3社は10月8日、ZIPAIRがAI(人工知能)による乱気流予測を運航で利用すると発表した。同日から飛行中のコックピットで、パイロットが乱気流の発生リスクを確認できるようにする。米SpaceXの衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」を活用する。

AIを活用した乱気流予測を導入するZIPAIR=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
BlueWXが提供する「AI乱気流予測」を、エムティーアイの航空気象システム「3DARVI」(スリーディーアーヴィー)に搭載する。パイロットは飛行高度や予測時刻ごとの乱気流リスクを、既存の気象情報や航空情報とあわせて確認できる。飛行ルート周辺の乱気流リスクを把握し、飛行経路や高度の選択などの運航判断に役立てる。
ZIPAIRは、Starlinkによる高速通信環境を活用し、飛行中の気象情報の利用環境を整備している。Starlinkは今年2月26日から乗客向けの機内インターネット接続サービスに使用しており、5月5日にはボーイング787-8型機全8機への搭載を完了した。

ZIPAIRが導入するAIを活用した乱気流予測(エムティーアイ提供)
乱気流は、風速や風向きの変化などによって大気が不規則に揺らぐ現象で、発生場所や強さを正確に予測することが難しい。BlueWXの予測システムは、数値気象予報や気象観測データ、航空機から収集した乱気流のデータなどをAIの深層学習で解析し、将来の乱気流発生リスクを予測する。従来の定型的な乱気流指標に基づく予測とは異なる手法を採用している。
開発過程では、数千人のパイロットや運航管理者による約4年間のトライアル運用を実施。運航現場の評価を取り入れ、予測精度や信頼性の向上を図ってきた。BlueWXは、ANAホールディングス(ANAHD、9202)と慶應義塾大学の共同研究を基に2023年7月に設立された企業で、全日本空輸(ANA/NH)が2025年7月28日から同社の乱気流予測システムを正式導入している。
3DARVIは、気象情報と飛行計画を同じ画面で確認できるシステムで、気象現象を3D(3次元)で可視化する。飛行経路と気象情報を重ねて表示し、運航管理者による経路の選択や飛行計画の作成を支援する。パイロットも飛行ルート上の危険な気象現象を確認できる。ANAとエムティーアイ、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の3者は2021年8月から、航空機への落雷リスクを予測する技術を組み込んだ3DARVIの運用を始めた。
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