IATA(国際航空運送協会)は、世界の航空会社が2025年に負担した決済関連費用が245億ドルだったと現地時間10月27日に発表した。2023年比10.4%増で、同期間の航空旅行の販売額の伸び率7.7%を上回った。決済処理した販売額は1兆500億ドルで、2023年の9770億ドルから増加した。

航空会社の売上よりも決済費用の伸びが大きかったとするIATA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
IATAによると、2025年の決済関連費用は旅客1人当たり平均5ドル。IATAが予測する2026年の航空会社の純利益は旅客1人当たり4.50ドルで、決済費用が翌年の予想純利益を上回る水準となっている。
決済関連費用245億ドルのうち、決済手数料など取引を完了するための直接費用が207億ドル(約3兆8600億円)で、全体の84.5%を占めた。航空会社が負担する決済システムの運用費や入金遅延、人件費、法令対応などに伴う費用は29億ドル(11.8%)、不正取引や代金未回収による損失は9億ドル(3.7%)だった。
決済手段別では、カード決済の平均手数料率が2.53%と、全体の推定平均1.97%を上回った。IATAはカード決済の取引当たり費用が最も高いとし、費用が最も低い決済手段の手数料率は0.01%だった。
決済方法の不足は、販売機会の損失にもつながっているという。IATAの調査では、付帯商品の購入を試みたケースの約5件に1件で、最初の決済が拒否された後、別の支払方法が提示されず、購入が完了しなかった。IATAは、決済手段を増やすことで、こうした販売機会の損失を一部回収できる可能性があるとしている。
IATAは決済費用の削減に向け、航空会社による低コストの代替決済手段の導入などを検討している。2025年の世界旅客調査では、デジタルウォレットによる支払いを希望する旅客が29%、各国・地域の即時決済サービスを希望する旅客が8%だった。
IATAが提供する決済サービス「IATA Pay」は、各国・地域の即時決済サービスを利用して航空旅行を購入できる仕組みで、34カ国で展開し、38種類の決済スキームに対応している。決済管理プラットフォーム「IATA Financial Gateway(IFG)」は、170カ国超、300種類以上の決済方法に対応し、航空会社や旅行関連事業者による複数の販売経路での決済管理を支援している。
旅行会社が利用するカードの決済費用についても、IATAの航空券販売代金精算制度「BSP」を通じ、航空会社が決済方針を定められる仕組みを提供している。また、企業出張の決済効率化に向けた新たな方法を検討するほか、航空会社が決済手段を評価するための管理指針も開発した。
IATAのサンドリーヌ・ル・ボルニュCFO(最高財務責任者)は、航空業界は競争が激しく、設備投資負担が大きい一方、利益率が低いと説明。決済取引費用が業界収入を上回るペースで増えている現状は持続可能ではなく、費用効率の改善が必要だと指摘した。
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