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JALの客室乗務員、新型コロナ感染 隔離中で症状なし、シカゴ発JL009便乗務

 日本航空(JAL/JL、9201)は3月9日、同社の客室乗務員が新型コロナウイルス(COVID-19)に感染したと発表した。現在は入院隔離中で、せきや発熱などの症状はないという。また、この客室乗務員と同じ便に乗務した12人の客室乗務員は濃厚接触者と判断され、11日まで自宅待機しているが、体調不良を訴える人はいないという。

客室乗務員が新型コロナウイルスに感染したJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 感染した客室乗務員は50代女性で、千葉県在住。発症2週間前にあたる2月10日を起点として、政府により入国制限されている国への渡航歴はないという。JALは東京都の保健所から7日に受けた連絡として、客室乗務員は2月24日に発症したことが確認され、隔離される直前に乗務したシカゴを現地時間25日発の成田行きJL009便(ボーイング777-300ER型機、登録記号JA743J、乗客104人)に同乗していた12人の客室乗務員が、濃厚接触者に特定されたことを明らかにした。感染した客室乗務員はこの便以降は乗務しておらず、機体はすでに機内を消毒済みだという。

 新型コロナやはしかなどの感染症が機内で発生した場合、乗客への連絡は保健所の管轄となる。保健所は今回の事例について、濃厚接触者は客室乗務員のみと判断した。

 JALの客室乗務員は現在、マスクと手袋を着用して乗務している。また、機内は閉鎖された空間だが空気は2-3分ですべて入れ替わる構造になっており、空気の清潔さを保つため、大きさ0.3マイクロメートルの粒子の99.97%以上を捉えられる「HEPA」フィルターを装備している。

 IATA(国際航空運送協会)によると、新型コロナの影響で今年の航空旅客数は全世界で19%減少すると予測している。

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