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ANA、787を最大20機追加発注 GEnxエンジン初採用

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は2月25日、ボーイング787型機を最大20機追加発注したと発表した。確定発注は超長胴型の787-10が11機、長胴型の787-9が4機の計15機で、このほかに5機の787-9をオプション発注(仮発注)した。2022年度から2025年度にかけて受領を計画しており、787-10は国内線、787-9は国際線に投入する。エンジンはANAの787では初めてGE製GEnx-1Bを選定し、追加発注分はすべて同エンジンとなる。

ANAの787-10=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今回の発注で、ANAの787は100機の大台を超えて103機になった。787-10は国内線用777の後継機で、国内線に787-10を投入するのはANAが日本では初めて。787-9は国際線の中長期的な成長に充てる。

 国内線用777は、2クラス405席(新仕様機は同392席)の777-200と777-200ER、同514席の777-300があるが、主力機材を787に統一することで、国内線の運航効率を高める。787-10のシートは、2019年11月に就航した777-200の新仕様機と同等のものが採用される可能性が高い。

 エンジンはこれまでANAの787はすべて英ロールス・ロイス製トレント1000を採用していたが、ANAによるとリスク分散のためGE製も採用することにしたという。ANAはトレント1000の不具合により、2016年以降エンジン改修に伴う欠航が大量に発生したことから、性能に大きな差がないとして、GEnx-1Bを追加した。同社によると、エンジンメーカーの違いで運航路線を分けることはないという。

 ANAは787のローンチカスタマー(初期発注者)で、2004年4月26日に50機購入すると決定。これまでに標準型の787-8を36機、787-9を44機、787-10を3機発注しており、全3機種を運航する世界最大の787オペレーターとなっている。787-8は全機が受領済みで、1月末時点の納入待ちは787-9は11機、787-10は1機。787-8と787-9は国内線と国際線両方に、初回発注分の787-10は中距離国際線に投入している。この3機の787-10は、当初は国内線に投入予定だったが、発注後に計画を見直した。

 初回を含めると6回目となる今回発注分の受領は、787-10が2022年度から2024年度、787-9は2024年度から2025年度を予定している。

 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、787-10は胴体がもっとも長い。全長は68.3メートルで、787-8(56.7メートル)と比べて11.6メートル、787-9(62.8メートル)より5.5メートル長く、777-200と比べると4.3メートル長い。設計と部品は787-9と95%共通しており、最終組立はすべて米サウスカロライナ州のチャールストン工場となっている。

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