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エア・ドゥ、通信可能なアルコール感知器導入 地方と羽田で監視

 エア・ドゥ(ADO/HD)は1月18日、パイロットらが乗務前のアルコール検査を実施しないで乗務したトラブルについて、国土交通省航空局(JCAB)へ再発防止策を報告した。地方空港と羽田空港で通信可能なアルコール感知器を導入し、常時監視する。

通信可能なアルコール感知器を導入するエア・ドゥ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社が提出した報告書によると、通信可能なアルコール感知器を3月4日から導入。乗務前のブリーフィングを実施するすべての空港と羽田を結び、リアルタイムで通信できる感知器で、検査の実施を地上スタッフが確認できる体制を構築する。

 また、3月末までに、全パイロットを対象として面談を実施し、アルコールに関する意識向上と検査の徹底を図る。

 エア・ドゥでは、1月14日の午前8時25分札幌発中部行きHD130便に乗務した機長(42)と副操縦士(34)、訓練生(35)の男性3人が、会社が定める乗務前の検査を受けずに乗務した。

 HD130便に乗務中、副操縦士が3人とも検査を受けていないことに気付き、運航管理者(ディスパッチャー)に報告。中部着後、アルコール検知器で検査を実施した。3人とも呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.00ミリグラムだったことから、14日は乗務を続け、中部発函館行きHD127便と、函館発中部行きHD128便を運航した。各便とも遅延は発生しなかった。

 3人は翌15日から25日までの予定で、乗務を外れている。

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