- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

成田空港、2月の中国旅客66.5%減 田村社長「全方面に影響懸念」

 新型コロナウイルス(COVID-19)による航空各社の減便・運休により、日本国内の各空港も影響が出てきている。成田空港では2月1日から22日までの速報値で、中国本土路線の出国旅客数が66.5%減少しているという。

2月の中国旅客減で影響拡大を懸念するNAAの田村社長=20年2月27日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 成田国際空港会社(NAA)が2月27日に発表した1日から22日までの速報値によると、2月の出国旅客数は、国際線全体で17.8%減の83万2800人。このうち中国本土路線は66.5%減の4万2400人となった。

 発着回数は、国際線全体では前年同月比5.7%減の1万243回。このうち中国本土路線は23.1%減の1179回となった。

 今年は1月だった中華圏の旧正月休暇・春節が2019年は2月にあったことから、2月の旅客数が大きく落ち込んだ。NAAの田村明比古社長は、旅客数の減少率について「昨年は(春節で)山が高く、結果として落差が大きくなった」としたものの、「(減少したうちの)大部分がコロナが影響している」との認識を示した。

 また、航空各社は中国や香港路線のほか、運休・減便対象を日本を含む全世界に広げている。田村社長は「全方面に影響が出ると懸念している。状況は見通せないが、注視していきたい」と述べた。

関連リンク
成田国際空港 [1]

各空港でも影響
関空、中国便欠航85%に 週517便、24日から [2](20年2月21日)
中部空港、中国便6割以上減 ウイルス影響、旅客・従業員の安全最優先 [3](20年2月17日)

IATA、3兆円以上の損失予測
ウイルス影響、世界の航空会社293億ドル損失 IATA予測、リーマン以来の需要低下も [4](20年2月21日)

ANA/JALへの影響
ANAの中国路線、関空発すべて運休 成田-上海も [5](20年2月25日)
ANA、関西-杭州減便 3月は一時運休 [6](20年2月20日)
JAL、台湾・韓国も減便 ウイルス影響広がる [7](20年2月18日)
ANA、中国・香港便の運休さらに拡大 半数以下の週85往復に [8](20年2月13日)
ANA、中国便の運休拡大 計画半減し週81往復に [9](20年2月6日)
JAL、中国夜間駐機便を期間運休 中国滞在者の入国制限で [10](20年2月6日)
ANAとJAL、中国一部運休・減便 3月まで [11](20年2月4日)
JALの2月中国予約、10日間で25%キャンセル 3月は20%減 [12](20年1月31日)
ANAの中国発2月予約、昨年の半分に 日本発も4割減 [13](20年1月30日)
ANA、成田-武漢線の欠航継続 3月1日まで [14](20年1月30日)
武漢チャーター機、羽田2タミサテライト”貸切”で感染防ぐ 普段は国内線用 [15](20年1月29日)

航空各社の運休
ピーチ、国際全路線に影響拡大 羽田-台北など11路線一時運休、減便は4路線 [16](20年2月27日)
シンガポール航空、日本6路線230便欠航 羽田は138便に拡大 [17](20年2月26日)
ジェットスター航空、日本3路線減便 ウイルス影響、カンタス航空は香港3路線 [18](20年2月21日)
シンガポール航空、成田・羽田5月まで減便 感染拡大、全世界で688便影響 [19](20年2月19日)
ジェットスター・ジャパン、成田-香港も一時運休 [20](20年2月14日)
ピーチ、那覇-香港3月まで運休 関空は減便 [21](20年2月12日)
キャセイ、新型コロナウイルスで大幅減便 日本路線も対象 [22](20年2月10日)
ピーチ、上海一時運休 関空・羽田、3月まで [23](20年2月5日)
ジェットスター・ジャパン、成田-上海一時運休 ウイルス拡大、3月再開へ [24](20年2月4日)

「欠航」と「運休」の使い分けは?
「欠航」と「運休」どう違う? JALとANA「明確な基準なし」、時間経過で変化も [25](20年2月19日)