- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

737 MAX、墜落2件ともMCAS不具合 月産42機に減産へ

 ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼CEO(最高経営責任者)は現地時間4月5日、737 MAXの墜落事故2件について、いずれも機体を制御する「MCAS(操縦特性向上システム)」に不具合があったことを認めた。また、今月中旬から737の製造を一時減産する方針を明らかにした。

MCASの不具合で2件の墜落事故が起きた737 MAX=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737 MAXは、2016年1月29日に初飛行。最初に墜落した2018年10月29日のライオン・エア(LNI/JT)のJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)事故と、3月10日に起きたエチオピア航空(ETH/ET)のET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)事故は、フライトレコーダー(DFDR)を解析する中で事故原因の類似性が指摘されてきた。

 マレンバーグCEOは、2件の墜落事故ではボーイングが737 MAXで新たに採用した失速を防止する「MCAS」のソフトウェアに不具合があったことを認め、改修とMCASに関する訓練や教材の拡充を進める考えを示している。

 737の生産レートは、現在の月産52機を4月中旬から同42機に落とす。現在737 MAXの引き渡しは中止しており、FAA(米国連邦航空局)によるMCASのソフトウェア修正版の認証取得に重点を置くとともに、737を製造するシアトル近郊のレントン工場の雇用を維持できる範囲で減産する。

関連リンク
Boeing [1]
ボーイング・ジャパン [2]

日系企業の動向
ANA、737 MAX発注継続へ 片野坂社長「対策できれば方針変えず」 [3](19年4月1日)
737 MAX事故、スカイマーク後継機選定に影響も 佐山会長「ないわけではない」 [4](19年3月18日)
ANA、737 MAX 8日本初導入へ 最大30機 [5](19年1月29日)
日系リース会社JIA、737 MAXを10機確定発注 [6](17年8月26日)

737 MAX墜落事故
エチオピア政府、737 MAX墜落で暫定報告書公表 ボーイングにMCAS調査要求 [7](19年4月5日)
マレンバーグ会長「安全はボーイングの核心」 737 MAXソフトウェア改修へ [8](19年3月20日)
仏事故調、737 MAX墜落「明確な類似性」 エチオピア機とライオンエア機の飛行記録解析 [9](19年3月19日)
737 MAXの墜落調査、仏で開始 エチオピアが米国に不信感、ボーイングは納入停止 [10](19年3月15日)
日本も737 MAX運航停止 国交省、FAA決定受け [11](19年3月15日)
FAAも737 MAX飛行停止命令 エチオピア機墜落で [12](19年3月14日)
737 MAX、欧州で飛行停止 EASAが指示 [13](19年3月13日)
墜落のエチオピア航空737 MAX、フライトレコーダーなど回収 [14](19年3月11日)
エチオピア航空の737 MAX墜落か ナイロビ行きET302便 [15](19年3月10日)
ライオンエアの737MAX墜落、迎角センサーに異常か FAAがAD発行 [16](18年11月8日)
ライオンエアの737 MAX墜落 インドネシアLCC大手 [17](18年10月29日)

事故後キャンセル
ガルーダ、737 MAX注残キャンセルへ 49機、ボーイングと交渉 [18](19年3月24日)

類似不具合も
737 MAX、サウスウエスト航空でも類似不具合 手動操縦で回避 [19](19年3月26日)

737 MAX、376機納入
737 MAX、1年10カ月で376機納入 受注はエアバス優位、ボーイング「安全性に自信」 [20](19年3月14日)

日本への乗り入れ
737 MAX、日本に5社17路線 737-800で継続 [21](19年3月19日)

737 MAX 8初飛行
初代737から半世紀経た新型機 写真特集・737 MAX、シアトルで初飛行 [22](16年2月2日)