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エア・ドゥのパイロット、飲酒検査せず乗務 アルコール検出なし

 エア・ドゥ(ADO/HD)は1月16日、パイロットらが乗務前のアルコール検査を実施しないで乗務した事象が14日に発生したと発表した。その後、当該パイロットらからはアルコールが検出されなかったため、当日は乗務を続けた。

*1月18日に再発防止策(こちら [1]

パイロットが飲酒検査せず乗務する事案が発生したエア・ドゥ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アルコール検査を受けなかったのは、1月14日午前8時25分札幌発中部行きHD130便(ボーイング737-700型機、登録記号JA08AN)に乗務した機長(42)と副操縦士(34)、訓練生(35)の男性3人。3人はアルコール検知器を使用した、会社が定める乗務前の検査を受けずに乗務した。

 HD130便に乗務中、副操縦士が3人とも検査を受けていないことに気付き、運航管理者(ディスパッチャー)に報告。中部着後、アルコール検知器で検査を実施した。3人とも呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.00ミリグラムだったことから、14日は乗務を続け、中部発函館行きHD127便と、函館発中部行きHD128便(いずれも737-700、JA08AN)を運航した。各便とも遅延は発生しなかった。

 3人は翌15日から25日までの予定で、乗務を外れている。

 航空各社では、パイロットらによる飲酒問題が相次いでいる。各社を監督する国土交通省航空局(JCAB)は日本航空(JAL/JL、9201)に対し事業改善命令、全日本空輸(ANA/NH)とANAウイングス(AKX/EH)、スカイマーク(SKY/BC)、日本エアコミューター(JAC/JC)の4社を厳重注意とし、いずれも1月18日までに、再発防止策を報告させる。

当該便の運航スケジュール(定刻)
HD130 札幌(08:25)→中部(10:20)
HD127 中部(10:55)→函館(12:25)
HD128 函館(13:00)→中部(14:40)

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エア・ドゥ [2]

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