- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

ANAHD片野坂社長「スカイマーク出資よかった」 コードシェア実現は不透明

 スカイマーク(SKY/BC)に出資するANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長は5月31日、現時点で実現していない全日本空輸(ANA/NH)とのコードシェアについて、引き続きスカイマークへ働きかけていく意向を示した。

ANAホールディングスの片野坂社長=18年5月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAHDは、2015年9月29日に行われたスカイマークの第三者割当増資180億円のうち、16.5%にあたる29億7000万円を出資。再生支援の一環として、ANAとのコードシェアを求めてきたが、顧客情報を把握できる予約システムを、ANA側に握られたくないスカイマークとは温度差があり、スカイマークは自力での搭乗率改善にこだわった。

 2015年1月28日に経営破綻したスカイマークは、2017年3月期通期決算で2013年3月期以来、4期ぶりに通期で黒字となった。

 2017年度の利用実績は、搭乗率が前年度を0.3ポイント上回る84.4%で、旅客数は前年度比7.3%増の722万3683人、提供座席数は7.3%増の854万373席。羽田発着路線の搭乗率は、90%を超えることもあり、現在運航しているボーイング737-800型機(1クラス177席)では、1便あたりの提供座席数が限界に達しつつある。このため、ANAが販売するだけの余裕がない状況だ。

 ANAHDの片野坂社長は、「スカイマークとのコードシェアは実現していない。搭乗率が高くニーズがない状況だが、利便性が高まる」と、今後も協議していく考えを示した。

 また、スカイマークの搭乗率が高水準で推移している点について、「出資してよかったと思う」(片野坂社長)と述べ、スカイマークが2020年までに計画している再上場に期待を寄せた。

ANAのA380
ANA、ホノルルにA380対応ラウンジ 19年春、2階席に直接搭乗 [1](18年5月30日)
ANAのA380、最終組立工場で翼の取付完了 19年春に成田-ホノルル就航 [2](18年5月25日)
ANAのA380、エコノミーにカウチシート ファーストはドア付き、4クラス520席 [3](18年4月25日)
ANAのA380、デザインは「空飛ぶウミガメ」 成田-ホノルル19年就航 [4](17年3月6日)
【スクープ】ANA、A380を成田投入へ 羽田就航見送り、ホノルル線 [5](16年10月24日)
ANA、A380を3機正式発注 ホノルル線に18年度以降 [6](16年1月29日)
なぜANAはハワイにA380を導入するのか 特集・A380はゲームチェンジャーか [7](16年1月5日)
ANAがA380導入!? 特集・スカイマーク”官邸主導”再建(後編) [8](15年8月6日)

スカイマーク再建
「この会社でよかった」特集・破綻乗り越えたスカイマーク自社養成パイロット1期生 ベヒシュタイン暁夫さん [9](18年4月10日)
スカイマーク市江社長「200席可能性ある」 後継機選定、燃費より稼働重視 [10](18年4月9日)
スカイマーク、純利益67億7500万円 17年3月期、4期ぶり黒字 [11](17年7月10日)
スカイマーク、737追加発注 18年から受領、既存機置換で [12](17年7月8日)
スカイマーク、仙台復活 神戸へ1日2往復、撤退路線初の再開 [13](17年7月1日)
スカイマーク、民事再生手続き終結 路線認知度に課題 [14](16年3月29日)
スカイマーク、最終赤字202億円 15年3月期 [15](15年10月14日)
スカイマーク新社長にDBJ市江氏 新体制、ANAから2人 [16](15年9月29日)
ANA、スカイマークに最大19.9%出資 再上場目指す [17](15年4月22日)
スカイマーク、民事再生法申請 社長に有森氏、インテグラルが支援 [18](15年1月28日)